進め! 紀伊國屋書店新宿本店探検隊

この記事ではここ最近の不調を受けて急遽病院へ駆け込んだのちに「こ、こんな沈んだ気分のままおうちに帰りたくなんかないもん!」と駄々をこねた私によってこれまた急遽編成された紀伊国屋書店新宿本店探検隊の足跡をたどります。普通の買い物も「探検」と名付けるだけでちょっと楽しい気分になるのでおすすめです。

1階は人が多いのでよっぽど見たい特別な展示などがなければスルー。『クジマ歌えば家ほろろ』のグッズ販売をしていた時、初日に来ていたらしいクジマ着ぐるみに会えなかった悔しさを糧に2階へのエスカレーターに乗る。この時左手のレンガをちょいちょい触るのが好み。

2階はこの本屋一番の見せ所。文芸書の新刊に著者のサイン色紙、店員さんによる長文POP、サイン本コーナー、この店だけの特典封入と豪華なラインナップが続くのでとりあえず文庫本の方まで視野を広めに確保したままぐるっと歩く。ここ数年で短歌が一気に一大ジャンルに上り詰め、レジ近くにかなり広めのコーナーを確保している様子は何度見ても感動する。7、8年前は短歌を含めた「詩」のジャンルで棚一面分くらいしかなかった気がするんだ。私の中では『砂丘律』にある砂漠の雪に関する一句が衝撃で短歌を読むようになった。

文庫になったことで手に取りやすくなったけれど、元の新聞紙のような薄い灰色のざらっとした紙を束ねた単行本版も味わいが全く違ってよかったよね。読書体験における物理的な紙の重要さを何度でも確認できるいい製本。

ひと通り新刊書籍のキラキラを浴びたら、再びエスカレーターに乗って3階へ。この階は大学時代何度も来ていたためあまり近寄りたくないので、ササっと心理学コーナーを見て新刊をチェックするだけで済まし、今度はエレベーターで8階へ行く。ここを起点に階段で下りつつ見て回る。紀伊国屋のエレベーターは狭い。たまにエレベーターガール(みんな身長が低い。エレベーターの中でも圧迫感を与えないように採用時点で調整しているのかしら(そのことを批判する意図を含んだ文ではありません))がエレベーターの管理をしていることがあり、時代を感じる。良くも悪くも。

8階が漫画コーナーになったのは去年のいつ頃だっただろうか、今でも時々別館の方へ行きそうになる。漫画は基本電子版で買う(でないと自宅が漫画で埋まってしまう)ので、ここで見るのは画集のコーナー。アニメ『電脳コイル』のビジュアルコレクションと企画書本がそれぞれ復刊ドットコムから復刊されていた。「アニメーターになりたいならこれをやれ」みたいなツイートが半年前くらいにまた流行していた影響だろうか。欲しかったが、4000円は私にとって少しお高かったので見送る。

7階学参系も今日はあまり気分ではなかったのでスルー。6階医学書のフロアでは精神医学系の新刊と雑誌を確認する。トラウマ治療に関する目新しい情報はなかったので長居はしない。6階は理工系フロア。今日の目玉はここ。近所の工事現場でコンクリートの壁に円柱状の穴をいくつも空けて切り取る(崩す?)ような作業をしているのが気になっていたのと「油圧式ってなんじゃ? とりあえず機械の仕組みなことだけは分かるけど油を使ってるってなんで?」とふと思ったのでなんかこう、土木工事についての素人向け解説書みたいなのが手ごろな価格で売ってたら買いたかった。気になった書籍は以下。

『施工がわかる イラスト土木入門』彰国社

『施工がわかる イラスト建築生産入門』彰国社

「わあ!」と勢いで買いそうになったけれどコンクリ円柱穴あけの理由はこれらにはたぶん載ってないしそれって図書館で調べたほうがいいことに思い至り戻す。

『建築用語図鑑 完全版』

雑誌「建築知識」の大人気だった特集の書籍化らしい。見ているだけでめちゃくちゃ楽しかったから文字が読めないときの読書にと思ったけどしっかりした装丁・フルカラーにしてはお安いが私のお財布にとってはお高い値段(3500円くらいだった気がする)だったので一時断念。でもたぶんいつか買う。

ここまで見て子供向けのはたらくくるま図鑑的なものを見るのが私の要望に対してはちょうどいいことに気付き、しかし児童向けコーナーを見る気分ではなかった。なのでこれは次の機会に。油圧式についてはこれ書き終わったら普通にネットで調べます。

4階で地図を見る……予定だったけれど山と渓谷社フェアが開催されていたのでそっちを見る。なぜか本を積み上げての陳列だったため体を真横に倒して背表紙を眺める。登山中の怖い話やマタギの語りを集めた本なんかが気になったけれど種類が多くて一冊に絞り切れず、結局『極北の動物誌』を買った。特典の雑誌「山と渓谷」のちょっとちいちゃいクリアファイルが目当てで無理に買った部分もあるけれど、「少年ならだれでも、大いなる極北の森の暮らしを夢見ることだろう。」の書き出しが気に入った。読むのが楽しみ。

県警レスキュー最前線シリーズも気になっている。

これにて探検終わり。階段にはいろんなポスターが貼ってあるのでそれをゆっくり見ながら下るのも楽しい。ただし意外にに人通りが多いので要注意。

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