「コロンビアゲーム」って知ってる?

コロンビアゲームとは、声優が出演するラジオ(映像付きも含む)を主に制作し放送・配信を行うセカンドショットの番組である、「みなさおランド♡」「たかみなと大西のたかにしや」で発明されたゲームである(商標登録するならした方がいいのでは?)。これは、「あっちむいてホイ」を進化させたものである。ここ最近、セカンドショットの各番組や各イベントでもおなじみになりつつあるらしい。詳しいルールは動画が作られているので、見て確認してほしい。一応、なぜコロンビアゲームなのかというと、スタッフが着ていた服のブランドがColumbia(コロンビアスポーツウェアカンパニー)であったことと、「アタック25」の中で「コロンビア」と解答し正解したときの喜びようがネットミームになっていることの2つが組み合わさったものだと認識している。

で、この記事では何を書くのかというと、勝負を先に挑んだ方が勝ちやすいということについてまとめる。ここから急にまじめな話である。たかにしやとは真逆をいくつもりか。


まず、先攻が一発で勝利する確率は、自分の上下左右コロンビアと、相手の上下左右コロンビアがそろう時を考えればいいから、$${\dfrac{4}{16}=\dfrac{1}{4}}$$である。残りの$${1-\dfrac{1}{4}=\dfrac{3}{4}}$$は攻守交代の上継続する。後攻からすれば、その状態で勝利するのは同じく$${\dfrac{1}{4}}$$であり、$${\dfrac{3}{4}}$$は攻守交代の上継続する。以下同じことの繰り返しである。

先攻が最終的に勝利となる確率を$${p}$$、後攻が最終的に勝利となる確率を$${q}$$としよう。先攻から見れば、後攻が勝負できるためには、自分(先攻)は勝利でない状態であるから、この結果から$${q=\dfrac{3}{4}p}$$が得られる。もちろん、勝負は最終的に先攻か後攻のどちらかになる以外はあり得ないから、確率の計算の大原則により$${p+q=1}$$である。この2つの数式から、$${p=\dfrac{4}{7}, q=\dfrac{3}{7}}$$が得られる。

確率の大原則・・・全事象(絶対起こる)の確率は1、同時に起こらない2つの事象(排反事象)の確率は、それぞれの起こる確率の和で計算できる。

同じ結果が得られるはずだが、今度は後攻から見る。先攻が勝負できるためには、最初の1回目以外は、自分(後攻)は勝利でない状態である。ただ、先攻は初回の勝利の確率が$${\dfrac{1}{4}}$$あることから、$${p=\dfrac{1}{4}+\dfrac{3}{4}q}$$がわかる。$${p+q=1}$$とあわせて$${p=\dfrac{4}{7}, q=\dfrac{3}{7}}$$が得られる。


より厳密には、$${n}$$回目の勝負で決まる確率を計算して、求めていく方法になる。これは無限級数の話なので、レベルが高いだろう。まず、$${n}$$回目の勝負で決まる確率は、$${n-1}$$回目までの勝負で勝敗が決まらないうえに、$${n}$$回目の勝負で勝敗が決まる場合の確率を考えればいいから、

$$
\begin{equation}
\frac{3}{4}\times \frac{3}{4}\times \cdots \times \frac{3}{4}\times \frac{1}{4}=\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{n-1}
\end{equation}
$$

である。ここで、奇数回の勝負は先攻側の、偶数回の勝負は後攻側の勝利とカウントされるから、

$$
\begin{align}
p &= \frac{1}{4}+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{2}+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{4}+\cdots+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{2m}+\cdots \\
&=\sum_{m=0}^{\infty}\frac{1}{4}\Bigl(\frac{9}{16}\Bigr)^{m} \\
q &= \frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{3}+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{5}+\cdots+\frac{1}{4}\Bigl(\frac{3}{4}\Bigr)^{2m+1}+\cdots \\
&=\sum_{m=0}^{\infty}\frac{3}{16}\Bigl(\frac{9}{16}\Bigr)^{m}
\end{align}
$$

ここで、等比級数の公式$${\displaystyle \sum_{m=0}^{\infty} a r^{m}=\dfrac{a}{1-r}}$$ (ただし、$${-1 < r < 1}$$)を用いて計算すれば、$${p=\dfrac{4}{7}, q=\dfrac{3}{7}}$$が得られる。


通常、あっちむいてホイであれば、攻める側をじゃんけんで決めたうえで、方向を指定するわけだが、この場合は先攻後攻とか関係なくなるため、勝つ確率は$${\dfrac{1}{2}}$$で問題ないだろう。じゃんけんをしない分、コロンビアゲームの方がさくさくと進む感じではあるが、先攻後攻で平等ではない点には注意したい。結局、先に勝負した方が有利なのだが、それは、コロンビアゲームが生まれた背景を考えると当然といえようか。山賊番組、とどまることを知らない。

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