「自分の意見を言える子」は、こうして育つ。
手探りの時代に「読解力」だけで十分か?
社会は、ずっと揺れ動いている。
ちょっと前までのコロナも、いきなりの戦争も
大人だって、ちゃんとは飲み込めていない。
この先、AIはどこまでいくのか。
ニュースを見るだけで、気持ちがザワザワと波立つ。
これから先、どうなるのかと
そんな思いにただ不安を掻き立てられる。
いまは「正解のない時代」と言われるけれど、
こんな手探りの時代に、
子どもたちは何を、どう学んでいったらいいのだろう。
誰もが考えてしまうのではないだろうか。
わたしは、定期的に、絵本講座を開催し
保護者の方や、司書、子育て支援に関わる方に
絵本の良さを伝えいる。
絵本で子育てしたい人たちの中では
「読解力」という言葉は、よく使用されている。
読解力を磨きたいと。
先日、ある本で「読解力」に触れていた一文に
目を奪われた。
国語のテストで、問いに
完璧に答えられると、
それは点数となり、「読解力がある」と評価される。
でも、「そこで止まっていいのか」という
問題提起が書かれていたのだ。
「理解すること」と、「従うこと」は別。
読解力を使って、文章の内容を正しく読み取る。
相手の言っている事が理解できる。
ここまでは、できる。
しかし、その先がある。
内容を読んで、
「内容に同意する」「自分の考えは別だ」「これはすぐにやろう」など
自分の考えを持ち行動することが、
実生活では一番必要なはず。
前出の本では、
そこに目をむけることなく、
「正しく文章を理解している」ことだけに
評価が向きすぎているのではないかと問いかけていた。
確かに、そうだと思った。
高校生にこんな指示が出たら、どうする?
例えば、こんな場面があったとしよう。
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高校からのお知らせが来た。(架空の話です)
こんな文章があったとする。
内容を正確に読解した。
そのあと、どうするか。
・早弁はせずに、昼食時間を守るのか?
・やりたいことを中断して、昼ご飯にするのか?
・指示を無視して、いままで通り早弁してしまうのか?
・この指導自体を不服として、反対運動をするのか?
(息子は高校時代、早弁ばかりしていたので
こんな例を思いつきました)
小中学生なら、従わざるを得ないだろうけど、
自分で考えることを求められる高校生。
さあ、どうする?
最終ゴールは、自分の意見を持つこと
文を「理解すること」と、「従うこと」は、まったく違う。
その違いを子どものときから、
伝えていかなくてはならない。
もちろん、相手が言っていることを理解することは
重要。そのうえでの、自分の意見だ。
ともすると、子どもは、
評価される嬉しさから、
安易に「理解する=従う」になっていそうな気がしなくもない。
それがとても怖いのだ。
先の本で書かれていたように
「正しく読み取れる」ことは、ゴールではない。
その先がある。
自分の意見が言える子に育てたいなら、
読解力止まりにしないことだ。
「自分の意見」までを意識して、
本と付き合っていくことが必要になる。
わたしの絵本講座が目指しているのも
本をただ読めればいい、ではない。
「読解力」の先を目指す絵本講座。
ゴールは、そこだ。
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絵本から自分の意見を引き出す体験も行っています。
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