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人は、優しさを感じると動き出せる

「あちゃ~! 困っちゃうな、この本」

コピーライターのさらわぎ寛子さんの著書に、いつも感じることだ。
わたしにとっては、本当に困っちゃう本なのだ。

本を読んでいるのに、読んでられなくなる。

なにが、どう、「困る本なのか」と言えば、
難しいワケでも、退屈なワケでもない。

むしろ、その逆。

昨年末に発売されたこの本もそうだった。
書くと、話すと、両方できるようになると、今まで届かなかった人にも自分の思いが伝えられるようになる、という一冊。

『発信力を強化する「書く」「話す」サイクル』 さらわぎ寛子 著

書くも話すも、できるようになりたい、わたし。

読んでいると、「そうか、そうやればいいんだ、やってみたい」と、気持ちが前のめりになって、落ち着いて読んでいられなくなる。
わたしにも、出来そうで、今すぐに試したい。

つまり、本を読んでいるのに、本を読んでいる場合じゃなくなるのだ。

これは、本当に、困ったことだ。


できれば、今すぐ本を閉じて、発想をメモして、できればパソコンに向かって作業を始めたい。

かといって、本の先にも気になる。この先はどう展開する?もっといいことが書いてあるんじゃなかろうか。
早く全部読みたい。

「やりたい気持ち」と「読みたい気持ち」の葛藤。
どっちに集中したらのいいのか。本当に困る。

まさに、これは受験の王道では?

結局、わたしは急ぎ、通しで最後まで読んで、特に気になるところに線や付箋をつけた。天につける付箋が多すぎて、特別の箇所には横に付けてみたりする。

そして、再読するときに、特に気になるところを実践しながら、また読む。さらなる超お気に入りには、今回はインデックスをつけて、すぐに開けるようにした。

その繰り返しで、本はこんな状態になった。

個人的に、読み込む本は必ずカバーは取って読む

よく受験指導の方が言う、コレと一緒だ。
「何冊も問題集をやる人は、ダメ。良いのを一冊、徹底的に何周もやると確実に身につく。それが王道」。


まさに、その状態を勝手に作ってくれる本。まるで魔法みたい。


魔法の正体は、優しさ。

この本の「あとがき」は、著者のさわらぎさんの思いが前面に出ていて、何度読んでも気持ちが落ち着く。ビジネスの本なのに、気持ちが和らぐのだ。

中でも、わたしが特に好きなフレーズがある。

言葉にして自分を伝えていくことで、相手に受け入れられる経験をすると、自分はここにいて良いんだという安心感が得られます。

『発信力を強化する「書く」「話す」サイクル』 さらわぎ寛子 著 ぱる出版 より

「あなたの安心感のためにも、言葉で伝えられるといいよ」と、聞こえてくるようだ。

わたしを含む、うまく書けなくて、うまく話せなくて、うまく行動できなくてウジウジ悩んでいるだろう、読者に対して、著者のさらわぎさんは、

自分の知りうることを惜しみなく公開し、分け隔てなく、手を差しのべてくれているように感じる。

本を読んでむずむずするほど行動したくなる魔法の根源は、この「優しさにこそ」あるのだろう。

人は、優しさを感じると、動き出せるのだ。
安心して、自分を出していいのだと思えるのだ。
そのことを教わった本でもある。

おすすめだけど、困った状態になることは、覚悟して読んでみて欲しい。


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