ラジオを始めたら、インプットも変わった
「へんてこ、あなぼこ、まわり道。
欠けているところを楽しもう」
こんなコンセプトで、英語・フランス語の翻訳家ふしみみさを氏と
ポッドキャストで「はんぶんラジオ」というインターネットラジオを始めました。
2021/7/21 にスタート。
月に2~3回程度のゆるりとした配信。
最初は知り合いが聞いてくれればいいか、そんな気楽な気持ちで
スタートしたのだが、ポツポツと輪が広がってる。
完璧じゃないとダメなの?
ふしみさんとは、絵本翻訳者(ふしみ)と編集者(大久保)として
仕事をきっかけに知り合って、もう20年くらい。
お互いの長所も知ってるけど、
欠けているところ、つまり欠点もよくわかってる。
「あれ、忘れてない?」と忘れっぽいふしみさんへのリマインダーや
「体調だいじょうぶ?」と体弱めなわたしへの注意喚起に加えて、
「うんうん、そんなこともあるよね」と
失敗した折にはお互いを慰め合っている。
何かのタイミングで
二人でこんな会話になった。
「わざとやっていないのに失敗しちゃって、
本当に申し訳ないって、心から謝っても
責め続けられると、辛いんだよね」
「完全じゃないと、何もしちゃいけない感じ」
「こちらも完璧ですから、そちらも完璧に、みたいなね」
「少なくともフランスは、もっとゆるいから、その点、ラクだよ」
「完全じゃないとダメなら、苦手なことがある人や、経験の少ない若者は、
なにもスタートできなくなるよ」
「失敗ができないって、息苦しいよね」
彼女は、日本とフランスを行ったり来たりの生活をしているから
余計に強く感じることもあるのだろう。
こんなことを自由に話せる場を作りたいと
「はんぶんラジオ」はスタートしたのです。
ラジオって、不思議な効果がある
放送してみて、実感したのは
いままで伝えたいことがあっても、ひとりひとりに話す必要があったのに
ラジオでいっぺんに伝えられること。
当たり前のことだけど、「なんて便利なんだろう」という感想を
二人ともが持った。
いったいいつの時代の人なんだ?わたしたちは。
ふたりとも、SNSをほとんど活用してこなかったので、
こんなことが、まず嬉しい。あまりの便利さに笑った。
時代に少し追いついた気分だ。
書くことでも伝えることはできるけど、ラジオはもっと気楽に
ながら聞きで負担なく聞いてもらえるところも、いい。
身近なできごとや本のこと、考えていること、興味を持ち始めたことなどを
おしゃべりするラジオなので
「一緒に話をしている感覚になれる」と感想をもらった。
だからだろうか、海外に住む日本人の方も、聞いてくれているらしい。
「ふたりが楽しそう」「次が楽しみ」「紹介してくれた本を読んだ」「ストレッチしながら聞いてます」「本を人に紹介した」「話してくれたことを、自分も考え続けている」と、連絡をくださる方も出てきて、小さな輪を感じる。
著者ご本人がリツイートしてくれたり
出版社や書店がリツイートしてくれたりも
本当に嬉しい。
インプットが変わった。
二人で話すことで、
面白い方向にどんどん話は膨らみ、転がりだす。
予定調和ではない脱線が心地よい。
話したいことが溢れてくる。
おもしろいことに、本を読むときも、
「これは、はんぶんラジオで話したいな」と思うと
インプットする力がハンパなく湧く。
アウトプットする力は、インプットのときから始まっているらしい。
絵本は世の中の一部、そこだけを切り取れない
まだまだ初心者の、つたないラジオだ。
でも、なにせ「欠けていることを楽しむ」がコンセプトなのだから、
つたなくても楽しいよ!と言いたいし、
欠けているはんぶん側にリスナーさんがいてくれると思うと
何でもできそうな気もしている。
いまのところの放送内容のラインナップはこちら。
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1 どきどき第一回 はじめまして、はんぶんラジオです
『老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉ダンスのような、介護のような』砂連尾理/著 晶文社
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2 絵本ってどうやってつくっているの?
絵本の裏側――『ヘビと船長』ふしみみさを/文 ポール・コックス/絵 BL出版
『マル農のひと』金井真紀/著 取材協力/道法正徳 左右社
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3 どんな子どもだった? 上に嚙みつく子? 飲みこめない子?
ふしみ➡食べものを飲み込むタイミングがわからない。小二で学校を脱走。
大久保➡小学校入学式で先生を訂正する。学校が燃えた話。
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4 100円ショップってどう思う?
100円ショップって、どうしてあんなに安いの?
わたしたちの貯金が、知らないうちに爆弾に⁉
そんな話を、パンを焼きながら。
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5 フリーランスという働き方
二人とも最初は会社員。どうしてフリーランスに? 不安はなかった?
会社を辞めたからこそわかった、枠の存在
名前のない仕事。これからそういう仕事の仕方や生き方が増えるといい
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6 手放すことについて
手放すこと、場所をつくること、足すより引く、引く引く運動について
すき間をつくること、自分自分にならないためには、余裕が必要
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7 自己責任ってどう思う?
「助けて」と「甘え」の境界線、「助けて」と「自己責任」の境界線
フランス人はあっさり断る
人は意外とみんな助けたいと思っている
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8 おすすめ!『0歳からはじまるオランダの性教育』10/6 9am
『0歳からはじまるオランダの性教育』リヒテルズ直子/著 日本評論社
そんじょそこらの性教育本じゃありません
性のあり方を教えることは、生きることを伝えることそのもの
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このラインナップでわかるように、
絵本の翻訳家と、絵本の編集者の二人のラジオなのに
絵本のことも話してるけど、おおかたはそうでないこと。
そもそもだけど、絵本も「世の中の一部」なのだから、
絵本の部分だけ綺麗に切り取って伝えることなんて
本当は不可能なのだ。
そのことも感じてもらえると嬉しい。
ご興味があれば、聞いてみてください。
※文章修行の記録/今回は「メールで自分に送る」を試しました。正直、書くより話す方がラクみたいです。
twitterもやってます。@Jo5OZpdav2hHo0E
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