【オリジナルCS優勝】アナカラーキメラグラスパー解説
初めましての人は初めまして、木村あしえです。
僕は普段、《アナカラーグラスパー》を使用してcsに参加している頻度が高いのですが、今回は僕が直近で使用した構築について、あまり前例の無い構築であると思いましたので、この構築に至った経緯などをお伝え出来ればと思い、今回執筆に至った次第です。
(あとしばらく記事のネタが無かったですし)
そのため、《アナカラーグラスパー》と言うデッキの基礎を知りたい方は、別の方の記事をご確認下さい。
また、本デッキをアーチーch様の動画にてご紹介頂きましたので、そちらも是非ご確認お願いいたします!(チャンネル登録も是非お願いいたします)
※注意点※
あくまで僕が活動している地域の環境に合わせて、構築したデッキとなります。
当たり前ですが、環境の違い、又は変化によっては、一概に最適な構築とは言い難いため、「こんなアプローチもあるんだな」くらいの気持ちで見て頂ければ幸いです。
また、これ以下の内容につきまして、1度登場したカードは、以降略称を用いる場合があるため、予めご了承下さい。
例:【グレート・グラスパー】→【グラスパー】
以下、本題に移ります。
○デッキの確定枠
まず最初に、僕が考える《アナカラーグラスパー》の確定枠について、一般的に周知されているデッキタイプであるため、かなりざっくり説明します。
本デッキはマナブーストループの始動に最低7~8マナ必要とするため、マナブーストカードは必要不可欠です。
その中でも、初動マナブーストかつ受けのカードとなる、
・【フェアリー・Re:ライフ】
・【地龍神の魔陣】
これらに加えて、手札を減らさずに3→5→8のマナカーブを実現する、
・【天災 デドダム】
・【終末王秘伝 オリジナルフィナーレ】
はそれぞれ4枚ずつ採用確定です。
そして、ループの始動カードかつ、フィニッシュループにて複数枚使用するため、
・【蒼狼の王妃 イザナミテラス】
・【グレート・グラスパー】
こちらも4枚ずつ採用確定です。
最終的なループ盤面の構築及びフィニッシュカードである、
・【連鎖類超連鎖目 チェインレックス】
・【水上第九院 シャコガイル】
これらは、基本的なループにはそれぞれ1枚ずつあれば十分なので、盾落ちケアのためにそれぞれ2枚ずつ採用確定です。
最後にループを補助するカードとして、
・【スクリプト】
・【エンペラー・キリコ】
もそれぞれ1枚ずつ採用確定です。
僕の中では、以上の30枚が確定枠であり、残りの10枚の自由枠にて環境に合わせたチューニングが必要であると考えています。
○デッキリスト
2023/01/15に開催された第16回シーガル大河原csにて、僕が実際に使用して優勝したデッキリストになります。
今回は自由枠に、
を採用したデッキリストとなります。
○構築した経緯
まず、僕が主に活動している宮城県の、その時のオリジナルフォーマットにおける環境読みについてお話します。
順当にTier1の《青魔導具》《アナジャオウガ》が共に1位~2位を争う母体数で、次点で《4c邪王門》が多く、それ以下がその他の環境デッキ(《赤単我我我/バルガ》《黒単アビスロイヤル》など)と言った環境読みをしました。
これらTier1の3デッキに対して《アナカラーグラスパー》の対面相性は、
であると僕は認識しています。
《青魔導具》及び《4c邪王門》対面においては、《アナカラーグラスパー》自体のポテンシャル、即ち、デッキの確定枠のカードのみ(色配分を自由枠で補う必要はある)で、五分程度の勝率は出せると認識しています。
一方で、《アナジャオウガ》に対しては、微不利~不利がつくと僕は認識しています。そのため、《アナジャオウガ》に対しての勝率を改善出来れば、《アナカラーグラスパー》にて十分戦える環境であると判断して、残りの自由枠を《アナジャオウガ》に対して寄せる方向性にて決定しました。
そして、今回のデッキを構築するにあたって、同系に対して強く出る事が可能である、【ガイアッシュ】及び【ジ・ウォッチ】採用型の《アナジャオウガ》を参考にしました。
その結果、
これらのパッケージだけで、1つのデッキが成り立つ事に気が付き、これらのパッケージを《アナカラーグラスパー》に転用出来るのではないかと考え、《アナジャオウガ》とのハイブリッドとも言える、今回の《キメラグラスパー》の構築へと至りました。
○デッキ概要
構築の段階で、主要なループパーツの枚数は削っていないため、どの対面にも従来通り《グラスパーループ》として、ループ始動を目指してプレイをします。
しかし、今回の仮想敵となる《アナジャオウガ》に対しては、本デッキの認識を改める必要があります。
《グラスパーループ》を目指すのではなく、【オリジナルフィナーレ】及び【ガイアッシュ】を用いて、こちらのリソースを拡大しつつ《アナジャオウガ》としてプレイします。
これにより、《グラスパーループ》において、呼びやすい【若き大長老 アプル】を立てる相手のプレイが無意味な一手となります。さらに、【オリジナルフィナーレ】による除去をそれに当てる事で、相手が【アプル】維持のために【有象夢象】をプレイした場合、こちらの【ガイアッシュ】の踏み倒し条件を達成するため、リソース拡大に繋がります。
そして、相手とのリソース差が開いていき、こちらのマナが伸びてくると、1ターン中に2アクション起こせる様になり、その分相手の先を行ける様になるため、
最終的には、
このいずれかを目指します。
この様に《アナジャオウガ》に対しては、相手にこちらを《グラスパーループ》だと認識させ、こちらは《アナカラージャオウガ》としてプレイする事を意図した、キメラ構築となっています。
○自由枠解説
<九番目の旧王 4枚>
《アナジャオウガ》の複数体のメタクリーチャーの除去として、手打ち/S・トリガー共に有効であるため、本カードを4枚採用しました。
また、環境読みの段階にて母体数が少数であるため、今回は《赤単我我我/バルガ》などのアグロデッキとのマッチングは割り切っており、申し訳程度の有効トリガーでもあります。
<流星のガイアッシュ・カイザー 3枚>
【有象夢象】並びに【絶望と反魂と滅殺の決断(ダークネス)】を採用している《アナジャオウガ》は、コストを踏み倒した展開及びハンデスを行うため、本カードの踏み倒し条件をあっさり達成します。
こちらのリソースを回復しつつ、相手の【ジャオウガ】を咎め、逆にこちらの【ジャオウガ】プランを通す打点となるため、《アナジャオウガ》対面においては、コストを払って召喚してでもプレイ優先度が高いカードとなります。
しかし、その分除去の対象になりやすく、【ダークネス】のパワーマイナス2回で丁度除去されてしまいますが、考え方を変えれば、お互いのリソースに関与させずに【ダークネス】を1回分撃たせているため、間接的にリソース差を広げている、とも受け取れます。
また、《グラスパーループ》自体との相性も良く、ターンを返さずに【シャコガイル】によるEXwinが可能となる他、コスト軽減効果により【チェインレックス】からのループ始動ルートが増えます。
本来は4枚採用したかったのですが、多色の枚数と枠の都合で3枚採用となりました。
<CRYMAX ジャオウガ 2枚>
巷で噂されている通り、僕も【無双竜機ボルバルザーク】に近い性質を持つカードであると考えています。
・【無双竜機ボルバルザーク】
▪劣勢でも、横に1体でも打点が残っていればジャスキルが組める
▪自分の出来上がった盤面+ダメ押しとしても強力
・【CRYMAX ジャオウガ】
▪劣勢でも、横に1体でも打点が残っていればジャスキルが組める
▪自分の出来上がった盤面+ダメ押しとしても強力
つまり、いずれも、
と言った点が共通しています。
その内の前者の性質を利用し、「相手にターンを返したら十中八九負けるだろうが、このターン中にはループに入れない」と言った状況から、勝ちを拾う手段として採用しました。
盤面に適当な打点が残っているだけで良く、さらに、【グラスパー】から本カードを踏み倒せるため、自分の盤面が0の状態でも唐突にジャスキル打点を組む事が可能です。
また、相手視点ではループデッキが殴って来る事を想定していないはずなので、【デドダム】並びに【ガイアッシュ】など、処理を怠った盤面からリーサルを狙う事も可能です。
これにより、ループが狙えそうならループし、無理そうなら【ジャオウガ】で走れる、都合の良い構築となっております。
また、自身が「S-MAX"進化クリーチャー"」であるため、【エンペラー・キリコ】の効果に干渉する心配もありません。
当初はサブプランとして、1枚のみの採用でしたが、他に少数採用して役割が持てそうな闇単色のカードが見つからなかったため、本カードを2枚採用しました。
<終末の監視者 ジ・ウォッチ 2枚>
《アナカラージャオウガ》プランの、ゴールの1つとなります。
【ガイアッシュ】のコスト軽減にて召喚する事もあれば、【オリジナルフィナーレ】によりマナが伸びるため、10コストにて召喚も視野に入ります。(一応【グラスパー】からも出せます)
1度着地してしまえば、《アナジャオウガ》《4c邪王門》など大体のデッキは機能停止、又はこちらへの干渉能力が壊滅的に低下するため、その間に体勢を整えて【ジャオウガ】でも良いですし、今度は《グラスパーループ》に切り替えてループプランを通します。
また、意図していなかった用途として、【キャンベロ<レッゾ.Star>】並びに【アイアン・マンハッタン】などの召喚制限に対して、【ガイアッシュ】自身の踏み倒し+コスト軽減にて本カードを召喚し、1ターンやり過ごすために使用したケースも実際にありました。
【エンペラー・キリコ】の効果に干渉してしまう懸念点がありますが、単体でゲームエンド級のスペックを持つため、「そのターン中にループに入らなければならない」状況などで無ければ、仮に捲れても相手が機能停止するため問題ないと判断し、【アナカラージャオウガ】としてのプランを、なるべく太くしたかったのもあり、今回は2枚採用しました。
○シャコガイルの枚数について
本記事冒頭の「デッキの確定枠」の項にて、"【シャコガイル】は2枚が確定枠である"、と記述しましたが、今回の構築においては1枚のみの採用となっており、早速矛盾が生じています。
今回枚数を減らした理由としては、
と言った、十分に詰みの盤面を従来のループにて構築した上で、”勝ち盤面におけるダメ押しの【ジャオウガ】”にて詰める事が可能であるため、【シャコガイル】によるEXwinは魅力的ですが、今回は特例として1枠を削って自由枠に割いています。
そのため、今回の構築においては、脳死でマナブーストループをするのではなく、【シャコガイル】の位置が不明である場合は、上記の盤面を構築しながらループする必要があります。
この場合、自分の盤面が伸びるため、【ジャオウガ】の敗北/除去置換効果を活かす事も可能です。(余談ですが、実際に【ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ】による全体除去を置換して勝利したケースがあります)
○反省点
・多色カード及び闇文明の枚数
一般的な構築の《アナカラーグラスパー》においては、
▪多色カード:16枚
▪闇文明:15枚
多少前後はするでしょうが、上記に近い配分になるかと思われます。
しかし、今回の構築においては、
▪多色カード:19枚
▪闇文明:14枚
と、多色事故及び色事故のリスクが、一般的なリストよりも高くなってしまいました。
・自分のプレイがブレやすい
今回の構築においては、
▪【アナカラーグラスパー】
▪【アナカラージャオウガ】
これらの側面を持つため、魅力的に聞こえるかもしれませんが、逆に言ってしまえば、40枚に複数のデッキを詰め込んでいるため中途半端とも言え、その分自分のプレイがブレやすいと言う事です。
そのため、僕自身が使用していても、
▪当初のプランニングから、他のプランに流されない手札のキープ
▪戦況に応じて、プラン切り替えの必要性の判断
など、従来の構築と比較してプレイ難度が上がってしまったと感じました。
以上が、僕が最近使用した《アナカラーキメラグラスパー》となります。
所謂Tier1より下のデッキにおいても、環境を読んで立ち位置を理解した上で、デッキを構築して使用すれば、格上のデッキに対しても戦える事が実践出来たと思います。
そのため今回は、僕が活動している宮城県の環境に合わせて構築したため、もし今回の構築の使用を考えている方が居ましたら、一度自分の環境と照らし合わせて、最適化して頂けると幸いです。
あしえ