よっ!宴会部長。
今年も残すところ二週間と少し、年末進行で忙しい毎日を送っているがそれももう少ししたら落ち着くと思う。
年末と言えばほんの三年前までは週末を中心に忘年会の時期だった。
遅くまで記憶を無くすまで飲み歩いていたのが遠い昔のようである。
忘年会と言えばつきものなのは余興である。
私は人前で何か芸をするほど器用な性格ではないが、お酒が入れば覚悟が決まる。
手先が鈍いのと音感が皆無なので手品やダンスといった練習が必要なものはなかなか習得できない。
その代わり物まねならば恥を捨てれば何とかできる。
以前の忘年会で披露したのはあいみょんの物まねでロングのかつらとTシャツとデニムの出で立ちで弾き語ったものである。
その時のウケはいまいちだったが自分なりにはやり切った感があってよかったと思う。
ギター歴は大学時代からなのでもう結構長いことになるが最近は殆ど弾かないので腕は落ちる一方である。
今年こそは事前の準備からしておこうと思っていたが早々に忘年会中止のお知らせが回ってきた。
世の中の意見としては会社関係での飲み会はあまり出席したくない人の方が大多数を占めるそうである。
私は普段腹を割って話すことの無い世代の人と話せるので割と好きである。
特に年配の方の今ならコンプラ的にギリギリな武勇伝を聞くのが楽しい。
そういった若いころの無茶な話を聞くとパワフルな昭和時代に思いをはせて良いなぁと思ったりする。
もっともそういった話が若い人にはウケないのもわからないでもない。
なんにせよ来年こそはささやかでもいいから忘年会が開かれるといいなと思う。
忘年会がないという事は必然的に新年会もないという事になる。
まあ新年会は今年の抱負を述べなさいと言われたりするので開放感が足りないのであってもなくてもいい。
とにかく、どう?軽く行っとく?と手をクイッと傾ける仕草が絶滅しないように祈っている。
そういったお酒の事を考えていたらやっぱり飲みたくなったので帰り道にスーパーに買い物に寄った。
今日の晩御飯は焼きそばと豆腐をメインにする。
焼きそばは一玉二十一円の格安品。
肉は豚バラ肉のSサイズパック。
野菜はキャベツと玉ねぎと人参。
豆腐は硬さが売り物の岩豆腐、一丁百二十円なり。
材料は以上で整った。
まずは副菜の豆腐料理から。
豆腐を賽の目切りにしてレンジでチンする。
鍋に水と醤油、酒を6対1対1の割合で煮汁を作りそこに豆腐を投入。
沸騰するまで煮込んだら火加減を弱火にしてコトコト煮込む。
全体に醤油の薄い色がついたら火を止めて水溶き片栗粉を流しいれてとろみをつける。
それをお皿に盛りつけて上に刻んだネギをたっぷり載せたら八杯豆腐の出来上がりである。
次はメインの焼きそばを作る。
豚肉を細かく刻む。
野菜は玉ねぎは細切り、キャベツはざく切り、ニンジンは細切りにする。
フライパンに油を敷いて摺り下ろしたニンニクを入れて加熱する。
そこに豚肉を加えてざっくり炒める。
豚肉にある程度火が通ったら野菜をすべて投入。
ジュウジュウとしっかり炒めて火を通す。
野菜がしんなりしたら麺を加えてさらに炒める。
味付けは塩コショウと鶏がらスープの素、オイスターソース、ウスターソスでつける。
濃くなりすぎないように調整しながら仕上げに揚げ玉をサッサカ投入。
これでお手軽焼きそばの完成。
うん、まあ今日はこんなものでしょう。
居間にご飯を運んでいただきます。
今日のお酒は珍しくレモンサワー。
ピシュッとプルタブを起こしてグラスにトックトックと注ぐ。
いただきますをしてキューッと飲む。
レモンの酸味と強めの炭酸が喉を通過していく。
んーこれはなかなかと思いながら一杯目を飲み干す。
グラスに二杯目を注ぎながら八杯豆腐に箸をつける。
固めの豆腐で作ったのでつまみやすい。
パクッと食べると醤油の味のついた豆腐が口の中に滑り込んでくる。
片栗粉でとろみがついているので火傷しないようにハクハクと食べる。
うんうん、さすがに江戸時代の総菜ランキングでトップを取ったことがあるだけに優しくて飽きの来ない味である。
何より一丁の豆腐の食べ心地としてはボリューム満点である。
キュピッとレモンサワーを飲みつつ次は焼きそばに取り掛かる。
麺を豪快にすくってグワッと食べる。
モシャモシャと噛むとソースの旨味と鶏がらスープの旨味が口にあふれる。
仕上げにいれた揚げ玉もサクリとした食感を加えており良いアクセントになっている。
何より今日のお酒のレモンサワーのジャンクな味わいとよくマッチしている。
モフモフと一気呵成に食べてしまった。
八杯豆腐は量が多かったので少し残してしまった。
これは明日の朝お茶漬けに乗っけて食べようと決めて冷蔵庫にしまった。
今日のお酒はレモンサワーを二缶という優等生。
鼻歌でマリーゴールドを歌いながら片付けた。
はぁ今日も美味しいご飯でした。
さぁて明日は何を食べようかな。