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愛のガランガラン

 昨日たまたま昔の動画を見ていたらエンディングで海外の新婚のカップルがオープンカーの後ろに空き缶をくっつけて盛大にガランガランと鳴らしながら結婚式場を出ていくというシーンがあった。

 ちょっとだけ調べてみたのだが、この風習はブライダルカーというものらしく、けたたましく音を立てながら車を走らせることで悪いものや縁起の良くないものを寄せ付けないという意味があるらしい。

 もともとの起源はアメリカで新郎新婦が乗り込む車に飾りつけをしたり新婦の父親の靴を後ろに括りつけていたらしい。

 それがだんだんエスカレートして空き缶をくっつけてこれからハネムーンに行ってきますという意味で行われるようになったらしい。

 私が子どもの頃は良くテレビの海外ドラマなどで見かけたし、映画にもこのブライダルカーを走らせる有名な作品もあった。

 この素敵な演出に憧れる女子も多くて大人になったらあんな素敵なハネムーンに出かけたいと言っている子たちもいた。

 しかしこれを実際に日本でやろうとすると結構敷居が高い。

 まず日本の結婚式は式が終わると披露宴がセットになっている。

 披露宴の後にスマートにブライダルカーに乗り込んで颯爽と新婚旅行に旅立てればいいのだが、結婚式後の二次会はほぼセットであり有志による三次会までセッティングされることがある。

 これでは新郎新婦もお酒を飲まないにしてもへとへとに疲れていざ車の旅にというテンションにはなりにくいようだ。

 それから新婚旅行は海外にしろ国内にしろ多くは飛行機や新幹線などを利用する。
 
 なのでせっかくブライダルカーで颯爽と登場しても車を停めるのは普通の駐車場である。

 他にも日本でイマイチ流行らない理由は道路交通法に触れる可能性があるからという意見もあるらしい。

 車の装飾や空き缶が走行中に外れてしまう危険性がある事と空き缶を括りつける紐の長さには制限が決められているそうだ。

 このようになかなか敷居が高いブライダルカーだが、私は結婚式のお色直しが終わってから式場に戻る時に広い大きな庭をオープンカーに乗って登場したことがある。

 真っ白な高級車でもちろん私も妻もお酒を飲んでいるので運転は式場のスタッフの方にお願いした。

 ちょうど夕方の良い感じの時間帯で車で会場に乗り付けるのは本日の主役感があってなかなか良かった。

 その時のオープンカーには空き缶はついていなかったのが心残りと言えば心残りである。

 映画や漫画の世界でも最近ではブライダルカーの出番は減ってきているように思う。

 若い世代の子にしてみれば何ですかそれ?となること請け合いである。

 うむうむ、実は昔はこういう習慣があっての…と古老が語るような話題になってしまうには少々惜しい華やかな演出でしたね。

 もっとも実際に空き缶をくっつけてガラガラと走っている新婚さんを生で見たことはないんですが。

 そんなマボロシの光景を夢見つつ昨日の晩御飯がこちら。

 昨日は近所のスーパーでホルモンが安売りしていた。

 じっくり見たが鮮度も良さそうだったのでミノとセンマイとハチノスを購入。

 後は野菜と細々したものを買って帰宅。

 手洗いとうがいをこれでもかとして早速調理開始。

 センマイを水で洗って沸騰したお湯でしっかり茹でる。

 途中で拭きこぼれそうになるので火加減は弱火。

 茹で終わったらザルにとって粗熱を取る。

 冷蔵庫で冷やしてたべる直前にネギをたっぷりかけてごま油とポン酢をかけてナムル刺しの出来上がり。

 ミノは結構厚みがあったのでそのまま油を敷いたフライパンで塩焼きに。

 芯まで火が通るように火加減を調整しつつじっくり転がした。

 その間にトマトと玉ねぎ、ピーマンを切って炒めておく。

 軽く火が通ったらそこにハチノスを加えてホールトマトを投入。

 沸騰したらコンソメを入れて中火でグツグツ。

 十五分くらい煮込んだら仕上げに塩と胡椒、隠し味に醤油を少々入れて味をみて薄いかなと思ったらケチャップで調整。

 昨日は程よく煮詰まっていたのでケチャップの出番はなし。

 後はぬか漬けの人参を切ってホルモン尽くし晩御飯の始まり。

 昨日のお酒はハイボール。

 安いウイスキーもハイボールにすると案外美味しく飲める。

 いただきますをして乾杯。

 ングッングッとハイボールを飲むとカハーッんまいとなる。

 ではまずぬか漬けから。

 ぬか床に新しいぬかを足したのだがまだ漬かりが浅かったようで今一つだった。

 お次はセンマイ刺し、クニクニの歯ごたえとごま油とポン酢の味がよく合っておりネギのアシストもナイスで良いお酒のつまみになっていた。

 二杯目のハイボールを作りつつ、ミノをつまむ。

 これはジャキジャキした歯応えで脂館はないが噛むと旨味があふれるタイプ。

 いつまでも噛んでいたくなった。

 ではメインのハチノスのトマト煮込みを食べよう。

 まずはスープから、ススッと飲むとホルモンの旨味と野菜から出た出汁とコンソメのシンプルな味わいが合わさって後を引く味。

 野菜と一緒にハチノスを食べるとこれがまたなかなかのいい仕事をしている。

 確かイタリア料理だったっけとぼんやりと思いながらハイボールをクピッ。

 ミノ、ハチノス、センマイと昨日の晩御飯は牛の胃袋ホルモン特集だったなと思って愉快な気持ちになった。

 ついでにギアラも制覇すればコンプリートだったな。

 腹八分目に食べてご馳走様。

 それにしてもブライダルカーって憧れますよね。

 なんかいかにも古き良きアメリカの習慣って感じで。

 ガランガランと幸せの音を響かせて旅立っていく新郎新婦、ううん素敵~。

 皆さんの中にブライダルカーをやられた方っていらっしゃいますか?

 

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