甘酒は実は夏の季語。
昨日普段あまり行かない小さなスーパーに足を運んだら新酒の酒かすが並んでいた。
少し前にも別のお店で酒かすを買ったがそれは大手メーカーの搾り過ぎの味気ないものだった。
何種類かあって純米大吟醸の一キロの物が一番高かった。
さすがに酒かすにそこまでお金を出す気にならなかったので五百グラム398円の地元の純米酒の物を買い求めた。
帰宅して早速封を開けると芳醇な酒かすの匂いがしてウットリとなった。
さあて、こいつをどうやって使おうと頭を捻った。
こんな寒い日はかす汁が嬉しいのだが妻が苦手な味なのでこれは却下。
とりあえず薄い板状のものを手でちぎってトースターで焼いてみた。
香ばしい香りが部屋中に広がる。
目を話すとあっという間に焦げるのでトースターとにらめっこ。
そのうちに表面が軽く焦げてきたのでアチチと言いながら取りだした。
私は焼き酒かすは砂糖醤油で食べる。
まだほんのりお酒の成分が残っているのか香りがとてもいい。
甘じょっぱくてほんのりお酒風味がして大人のおやつである。
焼いているので香ばしくてついつい手が伸びる。
薄い一枚板の酒かすはあっという間に私の胃袋に吸い込まれていった。
まだ少し物足りなかったので今度は甘酒を作ることにした。
酒かすを適当に千切って鍋に入れる。
そこに適量の水を加えて火を点ける。
沸騰してきたら実家から頂いてきた味噌こし用の道具で溶かしながらかき混ぜる。
ダマが完全に無くなったら火を止めてハチミツをたっぷり加える。
生姜は気分で入れたり入れなかったり。
熱々を飲むと確実に火傷するので少し冷めるまで待つ。
例えば爪を切ったりして時間を潰すのもいい。
それが終わる頃にはちょうどいい塩梅になっている。
フウフウしながらズズッと飲むと酒かすの粒々が喉を滑り降りてくる。
そのモロモロとした食感が楽しい。
甘酒には麹から作るタイプと酒かすから作るものがあるがどちらも好きである。
麹から作るものは柔らかめにご飯を炊いてそこに細かく砕いた麹を入れて保温モードにして半日放置すればいい。
これはアルコールを含まないので子どもでも安心し飲むことが出来る。
しかもほんのり甘みもつくので味付けも不要である。
私も何度かこの方法で作ったものだが出来上がるまで待つのがなかなかの焦らし戦法だった。
なので今は甘酒を作るとなればもっぱら酒かす派である。
酒かすさえあれば十分もかからずに出来上がるのでこのお手軽さは捨てがたい。
アルコール度数は低めなのでどれだけ飲んでも酔っぱらう事は無いが、念のため車の運転をする前や出かける用事の無い土日に飲むことにしている。
酒かすはきちんと密封して冷蔵庫で保存すれば三か月はもつのでありがたい。
甘酒は自販機でも期間限定で売っているがあれは少々甘すぎる。
やはりこういう物は自分で好みの濃さや味にするのが楽しい。
濃すぎてドロドロのお粥みたいになったものもまたご一興である。
しんしんと冷える日にこたつに入ってアツアツの甘酒を飲むのはある意味人生のシアワセなのだなぁと思っていそいそと台所に立つのであった。
そんな甘酒党の私の晩御飯のお話を少しだけ。
昨日は妻を辟易とされたおでん攻撃との味の変化をつけるために鶏の照り焼きにした。
鶏モモ肉に砂糖と塩を摺り込んでからフライパンで焼いていく。
片面ずつじっくりと火を通したら醤油、酒、砂糖、みりん、ショウガで味をつけて照りが出るまで火を通す。
副菜はカニカマとキャベツのサラダ。
カニカマをほぐして千切りキャベツを合わせてマヨネーズとたっぷりの黒こしょうで味付けただけのシンプルな一品。
もう一品はお惣菜の五目豆を買ってきた。
まあメインがボリュームのある照り焼きチキンだからこんなものでしょうと思って妻を呼ぶ。
昨日は休肝日にした。
温かい玄米茶で乾杯。
まずは五目豆を食べる。
材料が見事にさいの目に切られておりこれを作るのは面倒だなという出来。
味はお惣菜なりだが結構いけていた。
次に照り焼きチキンを食べる。
わりとしっかり目に味を付けたのだがちょうどいい味わいだった。
カニカマサラダは妻の好物なのでたくさん食べてもらった。
何だかビールが無性に飲みたくなるメニューだったが妻の手前ここはガマンすることにした自分が偉いと思う。
煮込み料理で家事を楽にする作戦、次はポトフから始めて具を少しづつ足していって最終的にハヤシライスにでも持っていこうかと考えている。
二月ももう十日なのに冷える夜も多い。
煮込み料理はベースさえ作ってしまえば後はどうとでもなるのでラクチンなのだが妻には不評である。
日々の献立に頭を悩ます主婦や主夫の方も大勢いると思う。
我が家ではめったに牛肉は出てこないしテイクアウトのお弁当も割高なので稀にしか頼むことはない。
なので日々のご飯作りは私の双肩にかかっている。
妻はわりと偏食なのでメニューが偏らないように気を付けている。
少しばかり頭を使うが美味しいと言って嬉しそうにしている姿を見ると胸がキュンとするのでそれだけで十分である。
さぁて今日もそろそろ夕飯の時間。
頭の中でテトリスの様にパズルを組み立てるとしますかね。
美味く晩御飯がはまった時はテトリス棒で四段消したような快感が走るんですよね。
ううん、もう何度も言っているが台所に住みたいものだ。
NHKのグレーテルのかまどのかまどさんのようにイケメン俳優に料理のうんちくとコツを伝授してみたい。
おじさんじゃあ需要はないのかな、トホホ。