落書きのブルース
最近は町の文房具屋さんというお店がずいぶんと減った。
私が子どもの頃は学校のすぐそばに小さな文房具屋さんがあった。
そこでは学校で使う文房具が一通りそろっており、鉛筆や消しゴムと言った定番のものからコンパスや三角定規などの算数で必須の文房具も取り扱っていた。
お店のおばちゃんは何だかいつも不機嫌で子ども達がワイワイとお店で文房具を探しているといつも早く決めんさいと言ってくるちょっとおっかない人だった。
そしてそういうお店ではボールペンの試し書きが出来た。
黒と赤の二種類があって圧倒的に赤に人気があった。
試し書き用の紙はコピー用紙のような上質なものでは無くスーパーのチラシの裏とかだった。
チラシを四等分くらいに小さく切り分けてホッチキスで綴じられた試し書き用紙は子ども達の格好の落書きの場所になった。
大抵はグジャグジャとイモムシのような線を引く子が多かったが何と言っても一番人気があったのは「へのへのもへじ」であった。
単純な文字の組み合わせで顔が出来るのが面白くて、全く同じ文字なのに書く人によって微妙に表情が変わるのが面白かった。
中にはアレンジを加えて「へめへめもへじ」や「へのへのもへの」などオリジナリティのある絵文字を書く子もいておお、やるなぁと思っていた。
そうやって試し書き用のボールペンで遊んでいるとおばちゃんが買わないんなら遊ぶんじゃないよとキッと睨んでくるのであった。
何も買わないでお店を出るのは勇気がいるのでいったん火がついた落書き熱をそのままに一個10円のろう石を買った。
それから高架下にみんなで移動してコンクリートの壁にろう石で思いっきり落書きをした。
「へのへのもへじ」はもちろん大定番で誰かがでっかく書くとそこにバカとかうんことか書いてゲラゲラと笑ったものである。
私の絵文字の必殺技は祖父から習った「つるさんはまるまるむし」だった。
言葉の順番通りに文字を並べると禿げ頭のお爺さんが描かれる。
最初にこの絵文字を書いた時は仲間内からお前天才かよと称賛を受けたものである。
まあ何度も書いているともう飽きたとか他には何か無いのかと言われるようになるのだが、そこで大した探求心も無かったので適当な落書きを書いていた。
最近はSNSで様々な絵文字が氾濫しておりその種類の多さはもはや無限にあるのではないかと思ってしまう。
私は絵文字を使う事は滅多にない。
おじさん構文もいただけないが、おじさんが絵文字を連発するのもちょっと痛いかなと思っているからである。
なので私はnoteのコメント欄でも絵文字を使ったことは一度もない(と思う)。
一番使うのは表現をマイルドにしたい時の(笑)である。
これが私の精一杯だ。
そんなちょっとした恥ずかしがり屋さんの私の昨日の晩御飯がこちら。
鶏の肩肉が安く手に入ったので削ぎ切りに。
塩コショウを軽くして油を敷いたフライパンで炒めていく。
火が通ったらそこに刻んだ辛子高菜を投入。
軽く炒めたら鶏肉の高菜炒めの完成。
副菜は油揚げをトーストで焼く。
梅干を潰して叩いて塩昆布と和える。
こんがりと焼けたら梅昆布をペタペタと塗りつけて一品完成。
もう一品は人参のぬか漬けを細かく刻んでオムレツの具にした。
後は残り物の冷しゃぶを用意して晩御飯の完成。
昨日は休肝日。
まずはオムレツを食べる。
刻んだぬか漬け人参の塩気とコリコリした食感が心地いい。
あっさりと塩コショウだけで味を漬けたのも良かった。
次に油揚げの梅昆布乗せを食べる。
カリッとした油揚げの香ばしさに梅の酸っぱさと昆布の旨味がよく合っていた。
これは酒だなと思ったが休肝日なのでガマンガマン。
妻はこれが気に入ったみたいでカリリカリリと齧っていた。
ではメインの鶏の高菜炒めを。
鶏肉は柔らかくて辛子高菜の風味との相性がなかなか良かった。
ふと思いついて作ってみた料理だがどこかの郷土料理と言われればそうなのかもという味だった。
ご飯が進む味でパクパクと食べてしまった。
残り物の冷しゃぶも忘れずにちゃんと完食。
品数はまあまあだったが一品ごとのボリュームは抑え気味にしたので腹八分目でご馳走様。
後片付けをチャッとしてエアコンをかけて部屋にバスタオルをかけて就寝。
「へのへのもへじ」最近めっきり見かけなくなりましたね。
今でもどこかでチラッと見ると懐かしい友達にあったような気がして嬉しくなってしまいます。
「つるさんはまるまるむし」はもっとレアなのでもし出会ったら書いた人とハグがしたくなるかもしれません。
昭和の落書き文化、あれはあれで味がある絵文字遊びだったんですねぇ。
実は私LINEでスタンプを送る方法を知りません。
どうだいアナログだろぉ。