別腹と言えば。
今日は三月十日、語呂合わせで砂糖の日なのだそうだ。
砂糖は品質の劣化が少なくカビや細菌などの繁殖を促す水分が含まれていないので賞味期限が無い。
湿気の多いところに置いておくとカチコチに固まってしまって始末に困ることがあるがそれに気を付けていればいつでも気軽に使える便利な調味料である。
なんでも紀元前500年頃にはすでに作られていたそうで長い歴史がある。
日本に初めてもたらされたのは唐の高僧鑑真によるもので当時は相当な貴重品で主に薬用とし珍重されたそうである。
砂糖が庶民の手に届くようになったのは江戸の中期ごろからだと言われている。
料理にも盛んに使われるようになり甘辛い醤油味が江戸の人に大いに受けた。
それから時代が明治に下ると精糖技術の向上と原料であるサトウキビの生産が安定して輸入に頼っていた砂糖を国内で製造するようになってさらに身近なものになったそうだ。
それが太平洋戦争以降、砂糖は価格が高騰し再び貴重品になってしまった。
その時代に代用甘味料が登場した。
ズルチンやチクロ、サッカリンというモノでいずれも砂糖の何十倍、
何百倍も甘いという特徴を持っていた。
コストもかからず加工品に使うのに便利だったそれらは昭和の時代に盛んに使われた。
しかしいずれの代用甘味料も発がん性が報告されたりと危険性が指摘されたので今では使用禁止になってしまった。
私の父などは幼い頃に食べた代用甘味料てんこ盛りの駄菓子をあれはあれで美味かったと懐かしそうに語るので興味はある。
海外では今でも使われている国もあるので輸入品などで知らないうちに摂取している可能性がある。
それはそれで何だかおっかないなと思う。
今は安全と言わている甘味料が多く出回っているのであえて危ない橋を渡る必要はないのかなと思う。
私の母方の祖父は重い糖尿病を患っていたので甘いものはご法度だったのだが祖母に隠れてアイスや飴などをこっそり食べていたらしくベッドの下を掃除するとお菓子の包み紙がごっそりと出てきたそうだ。
病気の人間でも我慢が出来ないほど甘いという味は魅惑的である。
いつまでも甘いものを楽しめるように摂りすぎには注意したいなと思う次第である。
そんなことを考えながら昨日は砂糖使ったっけと晩御飯を振り返ってみる。
買い物に行かないで帰宅したので家にあるもので済ますことにした。
冷蔵庫を見ると残り物の自然薯が少しあったのでそれを使うことにした。
それだけだとボリューム不足なので冷凍庫からサバの魚醤漬けを取り出して解凍した。
では早速料理に取り掛かる。
キャベツをみじん切りにして自然薯と合わせる。
そこにほんの少し小麦粉を入れてつなぎにする。
後はこれを油を敷いたフライパンで焼いていく。
火加減は弱火でじっくりと。
香ばしい匂いがしてきたらひっくり返して日本酒をドブリと入れてフタをして蒸し焼きにする。
その間にグリルにサバを入れて焼く。
大根おろしが欲しかったがあいにく大根が無かったので新玉ねぎを摺り下ろした。
汁物は玉ねぎと卵の味噌汁をササッと作った。
そのうちにフライパンがパチパチ鳴りだすのでふたを開けるとふんわりと焼けている。
お皿にあけて一時期流行った辛くないラー油をたっぷり塗ったらキャベツ焼きのチヂミ風の出来上がり。
グリルの魚もコンガリしたらとりだして新たまを添えて完成。
よし、出来たと言いながら居間にご飯を運んでいただきます。
お酒は飲みかけのジンがあったので炭酸で割ってジンソーダにする。
キュキュッと飲むとさっぱりしていてハーブの爽やかな香りが口の中に広がる。
何だか久しぶりに飲んだけどイイねと思いながらキュウッ。
ではキャベツ焼からいただく。
生地はほぼ自然薯なのでこんがりトロトロで食感はとても軽い。
具はキャベツだけだがそれがまたシンプルでいい。
ソースに使ったラー油のニンニクチップがサクサクでいいアクセントになっていて食べていて楽しい。
あまり辛くないのでジンソーダにもぴったりで食が進む。
次はサバの魚醤漬けを食べる。
新たまおろしに醤油を回しかけてサバと一緒にパクリ。
魚醤に漬け込んだサバは旨味が凝縮しており噛めば噛むほどジュワジュワと美味しい脂が出てきた。
ともすれば脂っこくなりがちな味だったが新たまおろしがピリッと全体を引き締めておりさっぱりさも加わってナイスバランスだった。
これもお酒によく合うので二杯目もグイグイと飲んだ。
みそ汁をインターバルに挟んでモリモリと食べた。
通販で買い求めたサバの魚醤漬けだったが良いお味だったのでリピートしようかなと思った。
お腹いっぱいになるまで食べてご馳走様。
冷蔵庫にあるもので賄った晩御飯だったが満足度は高かった。
こうして思い返してみると砂糖は使っていなかった。
砂糖談議で今日はうんと甘いものを食べたくなってきた。
何がいいかな、すき焼き、肉じゃがもありだな。
デザートはみたらし団子と渋ーいお茶で決まり。
甘いは美味いとはよく言ったものですね。