祭りの準備。
週末にテレビを見ていたらローカルニュースで高校の文化祭の話題を放送していた。
ぼんやりと見ていたのだが、取材先がたまたま妻の母校だったので俄然興味が沸いた。
一緒に観ていた妻は体育館が当時のままだとか生徒の数が激減しているとかちょっと興奮しながら感想を言っていた。
取材対象はその高校の近くで伝わっている人形浄瑠璃芝居で、ひもで吊るされた人形を器用に操りながら昔から伝わる演目を披露していた。
妻が現役の学生だった頃にもあったらしく、うわぁ懐かしいと目をキラキラさせていた。
それから何となくお互いの文化祭の思い出を話すことになった。
妻の学校は女子生徒の数が多かったので喫茶店の人気があったそうである。
まだメイドカフェなんてない時代だったのでいたって健全なお茶菓子のクッキーとコーヒーを出すだけのお店だったとの事。
それでも結構お客さんは来たらしく割と忙しかったらしい。
クラスの出し物以外にも妻は演劇部に入っていたので体育館の舞台に立ってお芝居をしたそうだ。
脇役での出番だったが一番受けたと本人が言っていた。
私の高校の文化祭の思い出はあまり思い出したくない。
それは三年生の時、私のクラスは素行の悪い生徒か成績の芳しくない生徒を寄せ集めた集団でとにかくまとまりが無かった。
特に野球部とラグビー部の確執は根深いものがあり常にもめていた。
そんな集団が一致団結して文化祭に臨むのはいささか無理があった。
私は野球部派だったのでラグビー部の連中には目の敵にされた。
何をやるかも決まらないまま締め切りギリギリになると、他のクラスの出し物が次々と決まっていく。
選択肢はどんどん狭まり、最後に残ったのは演劇だった。
そうと決まれば台本を書いて早速稽古なのだが、誰もやる気が無い。
台本が決まらないので衣装係の女子もすることが無くて遊んでいた。
今ならば私が台本を書く書くと喜んで立候補するだろうが当時は文章を書くことは大の苦手だった。
なのでクラスの気の弱い男子に丸投げした。
何とも無責任でひどい話だと思うが、その子がまた遅筆で台本が仕上がったのが本番の二日前だった。
もう衣装も間に合わないので制服のままで演じることになった。
話の筋はあまり覚えていないが私はなぜかミスターこと長嶋茂雄氏の物まねをやらされた。
いきなりの物まねに会場の空気は凍り付きスベリにスベッたのだけは忘れられない。
お芝居のフィナーレはなぜかコーラの一気飲みでステージをビタビタに汚しながらラグビー部がはしゃいでいた。
全くのアドリブで行われた蛮行で台本を書いた子がさめざめと悲しそうにしていたのをよく覚えている。
幕が降りてバカ男子がウェーイとやっていると担任が飛んできて、何をやっとんのじゃー!!ととてつもない大声で怒鳴られた。
それから延々とお説教が始まった。
途中から体育教師や学年主任も加わって何だか大ごとになった。
舞台でコーラを飲むというのは完全に教師たちには内緒で仕込まれたものでそんなものは当然学校の許可がおりないだろう。
いや、それはそうだよなと思いつつ頬に青いドーランを塗った長嶋メイクの私はとばっちりだなぁと思いつつ叱られたのであった。
今その当時の同級生に会ってこの話になるとなぜだか武勇伝になっているのが腑に落ちない。
いつの時代でもパリピに巻き込まれる一般人は損しかしない。
そんな事をほろ苦く思い出しながら昨日の晩御飯を振り返る。
昨日は食パンを買ってきたのでサンドイッチを作った。
キュウリと卵、キャベツ、魚肉ソーセージを材料にする。
キュウリを薄く輪切り。
塩を振ってしばらく放置。
その間に卵を焼く。
卵を溶いて牛乳とマヨネーズを加えてフライパンで厚めに焼く。
少し冷ましている間にもう一つの具を作る。
キャベツを千切りに。
魚肉ソーセージを細切りに。
キャベツと魚肉ソーセージを合わせてお好みソースで味付け。
キュウリから水が出たらかなり念入りにしっかりと絞る。
そこに味噌、マヨネーズ、砂糖を入れてよく混ぜる。
食パンにバターを塗って各々の具を挟んでいく。
あっという間にキュウリサンド、卵サンド、キャベツサンドの完成。
少し休ませている間に副菜とスープを作る。
副菜はキャベツをざく切りにしてトマトと合わせてニンニク、オリーブオイル、塩を合わせたサラダ。
スープは玉ねぎをみじん切りにしてコンソメスープで軽く煮て火が通ったら卵を流しいれて塩コショウで味を調えてオニオンエッグスープの出来上がり。
これで栄養のバランスも良くなったかなと思いつつ妻を呼ぶ。
昨日のお酒はクラフトジンジャーエール。
乾杯をしていただきます。
キュッと飲むとじんわりとショウガの風味が染みる。
ふぅ、少し甘めだけどこれはこれでと思いながらサラダをパクリ。
トマトとニンニク、オリーブオイルの組み合わせは間違いが無い。
キャベツもしんなりとして食べやすくなっていた。
ではサンドイッチを食べてみよう。
まずはキュウリサンドから、ショリショリしたキュウリに味噌マヨネーズの風味が丁度いい。
思わずパクパクいってしまう。
次にキャベツサンド、これはソース味なのでどこか駄菓子っぽくて楽しくなる味。
魚肉ソーセージの素朴な味わいが全体のレベルアップに一役買っていた。
スープを間に挟んで最後に卵サンドを。
これはもう安心安定の間違いのない味。
ふんわりした卵とパンの組み合わせが合わないはずはない。
二人でモグモグとサンドイッチを食べたが六枚食パンを使っているのでお腹いっぱいになった。
お酒はあまり飲めないで三杯ほど。
いや、夜にサンドイッチありですね。
ご馳走様でした。
それにしても一度でいいから文化祭カップルになってみたかった。
手を繋いで学校から帰る、青春だなぁ。
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