【三重県】救急車7,700円
三重県松阪市が、令和6年6月から救急車を呼んで入院まで至らなかった場合"選定療養費"として7,700円徴収すると発表しました。
支払いの対象となるのは、「松阪市民病院」「松阪中央総合病院」「済生会松阪総合病院」の、入院や手術が必要な重症患者などを24時間体制で受け入れている合計3つの病院です。
ただし、紹介状を持っている場合や、入院しなくても救急搬送が必要だったと医師が認めた場合も支払いの対象外に。
賛成反対さまざまな意見がありますが、
この7,700円徴収についてどう思いますか?
なぜ7,700円?
ニュースを見て「なぜ7,700円?」と思った人もいるでしょう。
この7,700円は"選定療養費"に基づいています。
選定療養費とは、地域の医療機関の機能分担を目的に採用されました。200床以上の地域医療支援病院に他の病院から紹介状を持たない初診の患者から選定療養費として7,700円徴収します。
わ、分かりずらい〜〜〜〜〜!
ざっくりと説明すると、大きな病院に患者が殺到すると病院がパンクしちゃう!
だから風邪など軽めの症状は、200床以下の病院や、診療所などで診察してもらってね!
大きな病院は紹介状を書いてもらった患者さんを担当するね!
もし、紹介状持たないで来た場合は診察代とは別で7,700円(税込)いただくね!
しっかり税金も入っています。
しかし7,700円は痛い!以前は5,500円だったのですが、2022年10月〜値上がりしました。
ここにも物価高騰の波がきているのでしょうか。
2022年10月より
医科:5,500円→7,700円
歯科:3,300円→5,500円
7,700円それでも払う?
我が家でしたら避けます。7,700円もあったら家族で外食できちゃう!
しかし以前、長男が休日の夜に縫合が必要な程の怪我をしてしまい、救急外来で200床以上の病院に駆け込みました。
田舎なので他の病院は受け入れが無く、そもそも選択肢が無かったのですが、5,500円しっかり徴収されました。値上がり前だった。
おかげ様で長男が無事だったので、それに比べたら5,500円なんてなんともありませんでしたが、旦那は選定療養費を知らなかったのでびっくりしていました。
大きな病院は、設備も人員も充実しています。選定療養費を払ってでも受診したい!という方もいるでしょう。
自分で決めて受付するなら納得しますが、救急車の場合はどうでしょうか?
ためらう・揉める原因に?
救急車を呼んで入院にならず7,700円請求される!となった場合
「入院させろ!」とごねる患者も出てくるでしょう。
生活保護や受給者資格などがなければ、結局入院費が同じくらいかかってしまいそうですが。
不必要な入院はベッド数確保の支障になりかねませんし、ただでさえ忙しいお医者さんや看護師さんの時間を奪うような行為はして欲しくないですね。
また、救急車を呼ぶのをためらって重症化してしまうケースも懸念されています。
三重県松阪市も「救急車を呼ぶのを止めるものではない」とし、「急病の際には迷わず119番してください」としています。
呼びかけてはいますが、入院にならなければお金がかかると思うとためらって手遅れに…。なんて可能性も捨てきれません。
勝手に7,700円というワードだけが一人歩きしないことを願うばかりです。
不要な要請の抑止に
今回三重県松阪市が救急車7,700円の決定に踏み切った、大きな原因のひとつが不要不急の救急車の利用です。
じつに松阪市では2022年、救急搬送後に入院に至らないと判断された軽症のケースが56.6%と、半数以上でした。この状態が続けば助かる命が助からなくなる事態が発生するため、今回の決断となったといいます。
全国的にも不要不急の救急車要請は少ないとはいえず、救急医療の悩みの種になっているのは間違いありません。助かる命も助からなくなってしまいます。
実際に松阪市では「子どもにクリスマスプレゼントを渡したら機嫌が悪くなった!」という通報がありました。
にわかに信じられません。何か事情があったのでしょうか・・・。
しかし、7,700円の請求があれば非常識な要請や、救急車を呼ぶ必要のない軽い症状の出動要請を減らすことが大いに期待できます。
迷ったら#7119
#7119を知っていますか。救急車を呼ぶべきかどうか迷った時にこの番号にかければ相談することができます。東京消防庁などは、非常識な119番通報を減らすべく#7119で相談して欲しいとしています。
本当に必要な人に救急車が向かえるように、不要不急な119番通報が減ることを願います。三重県松阪市の取り組みがトリガーになることでしょう。