癌かもしれないって言われた話
32歳の誕生日を目前にした、1月の終わり。
元々、二十歳の頃、とある部位に腫瘍が見つかって良性と診断された事があるのだけど、それから特に異変もなく10年余りが過ぎた今。
最近なんとなく腫瘍がある場所に痛みを感じつつも、放置すること1週間、、
なんか嫌な予感するからやっぱり病院行っとこうと思い、重い腰を上げて病院へ。
10年前と全く同じ検査をされ
腫瘍の形がちょっと怪しいと言われて
エコー検査で30分も念入りに調べられる。
あれ、これなんかやばいかも?とぼんやり頭の片隅に浮かぶ。
とりあえず細胞を採りますと言われ
ブスブスと注射を刺され、あまりの激痛に
1年分の痛みに耐えた感があった。
実は注射が結構好きな私。ただ、これは好きとか言えるレベルじゃなかった。終わった後本気で震えながら息切れした。
そして壮絶な細胞診の後。
もしかしたらだけど、悪性(がん)かもしれないとサラッと言われ、1週間後に結果が出ると伝えられ家路へ、、
ここで、色んな事が頭に浮かぶ。
あれ、もしかして自分死ぬかも?
死なないとしても、がん治療が始まる?
抗がん剤で全身の毛が抜けるなぁ
もうみんなと遊びに行けなくなっちゃう
治療しないで死ぬ選択もあるよな
とか脳内でぶわぁっと広がって
気づいたら運転しながら
顔ぐしゃぐしゃにして泣いてた。
死というものが一気に目の前に迫った感覚。
昔一度精神的に死んだし、正直もういつ死んでもいいやとか思ってたけど、いざこうなるとあぁ自分まだ生きていたいんだなと感じた。
そこからは割と情緒不安定で、気づいたら涙出てきたり、誰にも言えないから余計に一人で鬱々と考えてしまう状態が続いたけれど、みんなの前ではいつも通りで過ごしたいと思って普段と変わらずに生活した。
そして1週間後。
とうとう結果が聞ける、、!
と思ったら、細胞だけじゃ診断が難しかったからと、今度はさらに麻酔をしてぶっとい注射で何度も刺されながら組織を採られる羽目に。患部がもう出血とあざだらけでグロいことになった、、
また2週間後に、と言われる。
こうなるとなんかもう達観視し始める。
2月になり、これが最後の誕生日だとしてもいいやって思った。
ただ、死ぬ前にやることリストを書き始めた。
昔から一貫していることは、まだ見ていない景色をたくさん見たい、自分の記憶と写真におさめたい、ということ。
あと動画制作もいつかやりたいと思っていたけど、いつかが無いなら今しかないと思って、友達の協力の元、やっと少しずつ始められた。
そして忘れた頃にやってきた
病院の日の今日、これを書いている。
病院についてから
神妙な面持ちの医者にびびるも
気持ちはすっかり落ち着いていた。
そして結果は
「癌ではありませんでした」
と言われる。
良かった。
まだやりたい事がやれる。
普通の生活が送れる。
ただ、今後どうなるかわからないから要経過観察、とは言われた。
本当に、健康に気をつけたいなと
強く思うし、願う。
身近な親や親戚が癌を患ったり癌で亡くなったりしているし、他人事じゃ全く無いんだよなぁと今回の一件ですごく感じた。
変な話だけど、これは
自分の人生観とかも見直す
良い機会だったのかもしれない。
何も出来なくなる前に
会いたい人には会いに行って
今やれる事は今やりたい、と思う。
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