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《超魔導竜騎士-ドラグーン•オブ•レッドアイズ》は禁止されるべきカードなのか?
表題の通りです。正直私は当時から禁止にする意味あるの?と思ってたのですが、ましてや《捕食植物ヴェルテ•アナコンダ》が禁止カードとなっている今、このカードを禁止にしておく必要があるの?と思っております。
ドラグーンのカードパワー
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《ブラック•マジシャン》と《真紅眼の黒竜》が融合という激エモモンスターとなりますが、ではドラグーン単体のパワーはどのようなものでしょうか。
まず①の効果が効果破壊耐性と効果の対象にとられない通称「マジェスペクター」効果。対象をとらない除去手段を持っていないデッキもある中、ただでさえ3000と素の打点が高く、③の効果で4000打点や5000打点にもなるこのカードを戦闘破壊するのは容易ではなく、このカードの突破手段がなくなるデッキもあるでしょう。
②の効果は相手モンスターを破壊した上でその攻撃力分のダメージを与える効果。この効果は素材とした通常モンスターの数まで使用することができるので、《ブラック•マジシャン》と《真紅眼の黒竜》両方を素材にしていれば1ターンに2度使用できます。同じ効果を持つモンスターとして《No.61 ヴォルカザウルス》があります。
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しかし、あちらが1ターンに1度しか使えず表側表示限定で直接攻撃不可のデメリットがつくことを考えれば(ガイアドラグーンを重ねることで回避できますが…)、2回も使えて表示形式を問わず、デメリットもないかのカードは破格の性能と言えるでしょう。
③の効果は手札1枚をコストに1ターンに1度なんでも無効にでき、おまけで1000ポイント攻撃力が上がる効果です。なんでも無効にできるため、単に妨害として便利である他、①の耐性を掻い潜ってこのカードを除去しようとする効果やこのカードを上回る攻撃力を持つモンスターを展開する効果を無効にできるため、このカードの場持ちの良さ、突破の難しさに拍車をかけています。また、単に無効にするだけではなく、破壊してくれるのも優秀な点です。おまけのように1000打点上昇効果がついていますが、1回使って4000打点、2回使って5000打点となれば①の耐性とあわせてこのカードの突破はより困難になるでしょう。また②の効果で盤面を突破しながらダメージを与え、このカードで直接攻撃することでこのカード1枚でワンターンキルすることも難しくないでしょう。
総じていうと非常に場持ちが良い上に、妨妨害効果をもちながら、1枚でゲームエンドにまで持っていくパワーもあるパワーカードといえるでしょう。小学生が考えたカードなどといわれるのも納得です。
では、なぜそんなカードを私は禁止にする必要がないと主張するのでしょうか。
理由①妨害としてみれば所詮1妨害である。
例として他のEXデッキから展開できる制圧•妨害効果持ちの禁止カードと比較して見ましょう。
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これらのカードは効果の発動こそ1度しかできませんが、発動後はいっさい特定の効果を発動できなくなる、いわゆる"無限妨害"です。これらの効果と比較したときドラグーンの③のなんでも無効効果、たしかに強力ですが妨害として見れば所詮は1妨害です。しかも手札コストを1枚要求する1-1交換です。妨害効果として見た時には他の禁止カードと比較して強い効果とは言えないでしょう。
理由②汎用的にドラグーンを突破できるカードが複数存在する
効果破壊耐性と対象耐性に加えて高い攻撃力と1度の無効妨害を持つこのカード、確かに突破が難しいですが、解決手段は少なくありません。
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《閉ザサレシ世界ノ冥神》ならば素材にすることで出てくるので、出てきてから止めることはできませんし、先攻1ターン目にドラグーンを出した場合ならリンク3素材で攻撃力5300の《アクセスコード•トーカー》には打点で負けてしまいます。
これらのカードは多くのデッキに積まれており、展開力の高い現代遊戯王では1度妨害を当てられた程度ならば出すのは決して難しくはありません。
また環境によってはメインデッキに搭載されることもある《冥王結界派》はチェーンして無効することもできないため、天敵とも言えるカードでしょう。
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要するに突破できるカードは限られるカード」というのは事実ですが、「突破できる手段を持つデッキは多いカード」というのもまた事実なのです。
もちろんドラグーンの強さは場持ちの良さや無効効果だけではなく、その攻撃性能の高さがありますが、要は先攻でポンと立てて真価を発揮するカードではないということです。
理由③ドラグーンを出すデッキが弱い
正しくは「ドラグーンを出そうとするとデッキが弱くなる」です。上記でドラグーンの劣る点を挙げましたが、そうはいっても強力なカードです。ドラグーン棒立ちではなく、他の妨害モンスターや魔法•罠と組み合わせることができれば凶悪です。しかし、実際にはドラグーンを出そうとデッキを組むとそれは実現しません。
ドラグーンを出す場合、その召喚条件から《ブラック•マジシャン》はほぼ必須となります。
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しかし、このカードはレベル7のバニラモンスターであるため手札にあっても壁や素材にすらならず、専用デッキ以外ではドラグーンの素材になること以外役に立たないカードとなります。ドラグーンを召喚する場合はこの様なカード(所謂"ゴミ")の採用が必須となってしまうのです。
また、《ブラック•マジシャン》と《真紅眼の黒竜》はそれぞれサーチ手段こそ豊富であるもののシナジーはなく、仮に手札に揃えて融合召喚しようとした場合には両者のギミック+融合するカードを多く積む必要があることから他のギミックカードを積むのは難しいといわざるをえません。
では正規融合するのではなく、他の方法を使うのはどうでしょうか。よく挙げられる方法をそれぞれ考えていきます。
《真紅眼融合》
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論外です。デメリットが重すぎて上記で挙げたドラグーン棒立ち問題は必至です。うららなんて当てられた日には目も当てられません。さらにブラックマジシャンだけでなく真紅眼の黒竜まで必須となるのでデッキ内の弱いカードが増える問題もあります。
《ティマイオスの眼》
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悪くはないものの、その発動条件やサーチ手段から【ブラック•マジシャン】専用のカードと言えます。【ブラック•マジシャン】そのものもが上記で上げた単体のパワーがないカードを複数積むかとが求められるというデメリットを背負ったカードであり、ドラグーンが帰ってきたとして、環境レベルにあがるとは思えません。
《烙印融合》
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アナコンダ禁止後、ドラグーンが帰せない派のほとんどの人が理由としてあげるのが「烙印融合で出せるから」です。
確かに《烙印融合》ならば《アルバスの落胤》と《ブラック•マジシャン》を素材に《神炎竜ルベリオン》を融合召喚後、ルベリオンの効果でブラック•マジシャンとアルバスを素材にすることでドラグーンを融合召喚できます。
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で、私はこれが言いたくてこの記事を書いてるんですが、《烙印融合》を使ってミラジェイド出すよりドラグーン出す方が強い場面なんてほとんどないですよね。
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《烙印融合》を軸にする場合、《デスピアの道化アルベル》や《烙印開幕》等の烙印ギミックが必須とならことから構築は【烙印】によります。
《烙印融合》でドラグーンを出す場合、上記の通り手札2枚使ってドラグーンが出るだけです。
ドラグーン自体はでるものの1妨害だけでリソースも残りません。しかし例えば素材を《悲劇のデスピアン》にすればミラジェイドの1妨害+アルベル+赫の烙印による2妨害及びミラジェイドのコストによるリソースが残ります。アルベル召喚でスタートなら《深淵の獣ルベリオン》を素材にすることでミラジェイド+獣ルベリオン+烙印の獣+複烙印です。
先攻の妨害としてなら間違いなくミラジェイドを選びますし、ドラグーンが真価を発揮する後攻でも《烙印融合》及びルベリオンの効果が通る状況ならドラグーンに頼らずともワンターンキルは容易です。削りきれなかった時のリソース、妨害を考えても優先すべきはミラジェイドでしょう。 仮にドラグーンを優先をする場面があるとしたら相手のデッキにおいてドラグーンの突破手段が存在しないと分かっている時くらいでしょう。
しかも《烙印融合》にてドラグーンを出す場合にはブラック•マジシャンという引きたくないカードを積む必要があります。出す場面もよくわからないのに。
ということで《烙印融合》使ってドラグーン出すのは弱くはないかもしれませんが、《烙印融合》使ってもっと強いことをする【烙印】が環境トップというわけでもないので《烙印融合》からドラグーンが出てくるのは何も問題ないのです。
《ドロドロゴン》
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たまにドロドロゴンで出せるからダメみたいな人がいるので書きますが、②の効果を使えないドラグーンをわざわざシンクロ絡めて出す意味がわかりません。まあシンクロテーマの選択肢にはなるかもしれませんが禁止カードにする理由にはならないと思います。
おわりに
烙印融合の部分に異常に力いれて書いてしまいましたが「烙印融合があるからドラグーンは返せないおじさん」に辟易としていたので書きました。
ていうか烙印融合って異常なパワーカードみたいに言われることが多いですけど制約が相応に重くて、うららで止まっちゃうから良カードだと思うんですよね。
結論:烙印融合返して