古いスパイクから当時の欠点を考える
今回は温故知新、古いスパイクから、現代に至っての改善点なんかを記載できたらと思います。
昔のスパイクは結構今と違って課題も多かったのですが、それが標準だったので特に不満が無かったという印象があります。
主にアウトソール、スタッド辺りを中心に見ていこうと思います。
天然芝用で多数スタッドを用いたソールが無くなる
いくつか例を挙げて、現在ではあまり見ない形状のものを取り上げていきますが。
人工芝用は別なのですが、特に天然芝対応のモデルで、多数のスタッドを用いたソールは殆ど無くなってきているかと思います。
スタッド自体の本数は何本が標準、ということは無いのですが
だいたいかかとに4本、というのが定番の形になっているかと思います。
場合によって2本になったり、3本になったり、5~6本になったりしますが。
基本今も昔も4本がスタンダード、という印象です。
というのも動作面でいえば、かかとは荷重がかかりやすい部位。
キック等のストップ動作にて特に荷重がかかりやすく、強い圧がかかります。
その分、スタッドが地面へ貫入しやすいので、着地衝撃の分散や、スタッドへの負担の軽減というのもあり、
昔はスタッド数が多いものも時々あった印象です。
ただ、昨今では殆ど、天然芝用では見かけなくなっているのですが
その理由としてはメリットよりデメリットが上回りやすい、というのが挙げられると思います。
スタッド本数が多くなることで、スタッドが地面へ接触する面積が増え、接地時の衝撃を分散しやすくなるのがメリットになるかと思うのですが。
これらは天然芝であれば、グラウンド側が担保してくれるケースが多いので、メリットがあまり感じられない所になるかと
※日本の下地の硬い、芝の短いところは別
一方で圧がかかりやすく、しっかりと地面にスタッドが貫入する上、スタッドが密集していると
スタッド間に泥や芝が詰まりやすく、結果的にスタッドが地面深くまで貫入できず、スリップするデメリットが発生します。
このデメリットは人工芝では発生しない上、人工芝はスタッドにかかる負荷が高く、着地衝撃も強いケースが多いので、人工芝向けのスパイクではむしろ多用されています。
ちなみに余談ですが、キック時のストップ動作を主に考えると、赤ラインのような位置にスタッドが無いとスリップしやすいとも言えます。
そのため、スタッド数を減らした仕様だと、
昔のエヴォスピード SLといったスパイクが、かかと3本のスタッド構成になっていた時期もあります。
ただ、これはこれでやっぱりバランスが悪い(カットインが難しくなる)ので、結局定番化することはありませんでした。
一方で現在販売されているものだと、ナイキのHGソールが5本スタッドで販売されていますが。
こちらは明らかに土用、しかもかなり硬い土を想定しているので、そもそも土や泥がスタッド間に詰まるようなグラウンドでは使わない仕様ですね。
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