![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97979662/rectangle_large_type_2_3639e24b1c4abddb602054826d4daad8.jpeg?width=1200)
2023 神子柴シンポジウム 開催概要
シンポジウム” 神子柴系石器群の生成とその性格をめぐって ”
新春の2023年1月14日(土)、明治大学リバティータワーにおいて、八ヶ岳旧石器研究グループ主催、本黒耀石研究センター共催のシンポジウム「 神子柴系石器群の生成とその性格をめぐって 」が開催された(写真上)。コロナ禍でのイベント開催の困難さが残る中で、およそ60名の参加を得た。
神子柴系石器群は、最終氷期末に展開し大形石斧と尖頭器で構成される特徴あるものだが、その性格解明のアプローチと新たな研究の方向性の模索を趣旨として、黒耀石研究センター堤隆を代表とした科学研究費基盤(C)「神子柴系石器群の生成とその性格をめぐる研究」(17K03216)の一環として実施された。内容は以下のとおりである。
・総括報告 堤 隆 (明治大学黒耀石研究センター)
科研費「神子柴系石器群の生成とその性格をめぐる研究」実施報告
・講演1 堤 隆 (明治大学黒耀石研究センター)
「黒曜石熱破砕にみる神子柴での所作の含意」
・講演2 田村 隆(元 千葉県立中央博物館 上席研究員)
「神子柴 do ut des」
・講演3 安斎正人 (元 東北芸術工科大学 教授)
「神子柴遺跡をめぐる象徴性」
各発表の後、上記3者をメインのパネリストとし、会場の意見も拾いつつ、パネルディスカッションがなされた。
議論は、神子柴系石器群をめぐって「贈与交換論」や「象徴性」などを中心としてなされた。 do ut des とはラテン語で「与えよ、さらば与えられん」という意味である。全般的に思想史的側面も併せ持ち、少し難解にも思えたシンポジウムであったが、「社会的交換理論」など今日的テーマが扱われた点で、有意義な研究集会であったと考える。
※ なお、予稿集については、全国遺跡報告総覧より、ダウンロード可能である。(以下をクリック)
シンポジウム 神子柴系石器群の生成とその性格をめぐって 予稿集 - 全国遺跡報告総覧 (nabunken.go.jp)
(堤 隆)