【こ】 較正年代
較正年代【こうせいねんだい】
14C年代は、過去の大気中14C濃度を常に一定と仮定し、14Cの半減期を5,568年として算出された年代である。しかし、過去の宇宙線強度や地球磁場の変動により大気中の14C濃度は過去一定ではないと明らかになっている。また、14C年代の算出には14Cの半減期として5,568年が用いられるが、より正確な半減期は5,730年とされている。大気中14C濃度の時代変化と半減期の差があるため、14C年代をそのまま何年前と読み替えられない。
14C年代と実際の年代との差を正し、より正確な年代を求める作業が較正であり、14C年代を較正して求められた年代が較正年代である。較正に用いられる較正曲線は、14C年代測定とは別の方法(年輪年代や湖沼堆積物の年縞ほか)で年代が付けられた一連の14C年代から作成される。較正曲線には、北半球の陸産物用のIntCal、南半球の陸産物用のSHCal、海産物用のMarineなどがある。
較正年代の単位は、cal BP、cal BC、cal ADなどが用いられる。calはcalibratedの略である。cal BPは1950年を基点に何年前、cal BCとcal ADは紀元前後を意味する。旧石器時代に関わる較正年代はcal BPで表現される場合が多い。
( 中村賢太郎 パレオ・ラボ )
上の写真は、水月湖の湖沼堆積物の年縞
更新世ー完新世境界 11,600calBP付近 の年縞
福井県年縞博物館展示 http://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/
炭素14年代と較正年代のグラフ