【い】Intcal
IntCal。14C年代の較正に用いられる較正曲線の1つである。読み方はイントカル。
IntCalは国際的なワーキンググループの名称でもあり、IntCalワーキンググループには、世界中の14C年代測定ラボが参加し、地球上各地のデータを統合し、国際的な較正曲線を作成している。IntCalワーキンググループが作成する国際的な較正曲線のうち、北半球における陸産物の14C年代を較正する際に用いられるのがIntCalと呼ばれる較正曲線である。
較正曲線は、新しいデータの蓄積や、地球の炭素循環に関する認識の変化に合わせて、修正され続けている。1986年にIntcal86、1993年にIntcal93、1998年にIntCal98、2004年にIntCal04、2009年にIntCal09、2013年にIntCal13、そして2020年にIntCal20が公開されている。
最新版のIntCal20では、55,000 cal BPまで範囲が延長され、14C年代で測定可能な年代範囲がほぼカバーされた。IntCal20では、およそ13,900 cal BPより新しい範囲が連続した樹木年輪年代に基づいて較正曲線が作成され、13.900 cal BPより古い範囲が不連続の年輪年代、湖沼や海洋の堆積物、鍾乳石、サンゴなどから得た値を統計的手法で統合して較正曲線が構成されている。
なお、IntCal13から福井県水月湖年縞堆積物のデータが採用され、IntCal20からは日本列島産樹木のデータも採用されている。
( 中村賢太郎 パレオ・ラボ )
IntCal20のWebサイト
https://www.cambridge.org/core/journals/radiocarbon/article/intcal20-northern-hemisphere-radiocarbon-age-calibration-curve-055-cal-kbp/83257B63DC3AF9CFA6243F59D7503EFF?fbclid=IwAR2yJWthcVdB7w8PvH2jXkui0DJr4ryNU3Hyp7RVnxrQWUa_OepzBi73r2M