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第3回 八ヶ岳あおば旧石器文化賞

第3回 八ヶ岳あおば旧石器文化賞 の受賞者を 発表いたします。

■ 受賞者 村瀬早紀(むらせさき)

■ 所   属 南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻 博士前期課程 1年

下呂石の比重測定を行う村瀬早紀 さん(ご本人写真提供)

■ 選考理由
 第3回八ヶ岳あおば旧石器文化賞の受賞者は村瀬早紀さんに決定した。
 村瀬さんは、岐阜県出身で、1998年生まれの24歳、現在、南山大学大学院人間文化研究科人類学専攻 博士前期課程1年において旧石器考古学を専攻している。
 村瀬さんは、岩手県遊井名田遺跡や京都府上野遺跡、岐阜県湯ヶ峰山頂遺跡など幾つかの旧石器遺跡の発掘調査経験をもち、現在は岐阜県下呂市に産出し、日本列島中央部において優良石材として後期旧石器時代初頭から使われ続けた下呂石をテーマに研究を進めている。ことに下呂石の産出地点細分のための厳密な比重測定法を考案、同じ原産地といえども湯ヶ峰山頂とその中腹とでは、石材の比重が異なることを明らかにする。その獲得地点の異なりを遺跡出土の石器の同定に応用しており、今後、詳細な下呂石の開発史解明が期待される。
 人類の原材料資源の開発や獲得に関する議論は、石油からレアメタルに至るまできわめて今日的な課題であるとともに、下呂石や黒曜石などの石材資源について旧石器時代に溯ってまで究明すべき根源的な論題で、人類史研究におけるその重要性は計り知れない。
 コロナ禍においても志を灯し続け、発掘から分析まで野外科学の姿勢をもって研究に取組む村瀬さんは、本賞の受賞者にまことにふさわしく、また、将来ある女性の学究として、第3回八ヶ岳あおば旧石器文化賞を贈る次第である。
                2022年12月31日
               八ヶ岳旧石器研究グループ代表 堤  隆

本賞の授与に関しましては、以下の考古学関連各社より協賛を賜りました。
心より御礼申し上げます。

(株)アルカ様 (株)パレオ・ラボ様 (株)ラング 様 (50音順)



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