受け入れの方法とスキル 第2段階 その1
第2段階
この第2段階は、広げていく段階です。次の3つのことを同時に行います。
1支援学級の担当の先生以外の先生との関係作り(愛着を広げる)
注)通常学級担任 他の組の先生 サポーター 保健室の先生
給食の先生 技能職員 校長先生 教頭先生 交通指導員
2 4つスキルを使い要求を言葉で言わせる(言葉を広げる)
注)私の提唱している、発達に凸凹がある子どもとの関わり方
である4つのスキルを使う。下の記事参照
3 好きな遊びを、ちょっと違った形でもやってみる(遊びを広げる)
注)これは、後に先生からの提案を受ける力になる
この3つのことを取り組んでいく方法について、詳しく書いていきます。もう一度、書いておきますが、次の設定で「お話」を書くことで説明に代えます。その細部を読むことで、この段階の本質が分かるからです。
「軽度発達遅滞で自閉症スペクトラムが中度の子ども」を想定して書きます。支援学級在籍の女の子で、名前は「みーちゃん」です。現在、担当の伊藤先生との関係が成立し、学校での生活が安定した状態にあります。
7月のある日の様子を書きます。
①朝の登校…受け入れ
登校班のすぐ後ろを、みーちゃんが、お母さんと手をつないでやってきます。なにか、嬉しそうです。学校が、どんなところか、分かってきたからです。
先生「おはよう。みーちゃん。」
みーちゃんは、伊藤先生の顔を見て笑ってくれます。
先生「『おはよう』って言ってよ。早く覚えてね(「覚えて」)。」
みーちゃんは、小さくうなずいてから、お母さんの手を離し先生の手と手をつなぎに来ます。
先生「お母さん、さようなら。ご苦労様でした。もう少したら、みーちゃん
は集団登校の中に入れそうですね。」
お母さん「そうですね。ありがとうございます。みー、がんばってね。」
先生「ほら、みーちゃん。お母さんにバイバイして。もうできるでしょ
う。」
みーちゃんは、お母さんにバイバイができました。ただ、手のひらを自分の方に向けてバイバイしています。これは、修正していかないといけません。初めに教えたときの失敗です。
注)見本を、みーちゃんの正面から見せたせいです。みーちゃんは、見
たまま再現しているのです。教えるときは、横に並んで教えるよう
にしましょう。