誰でも観察だけで簡単にできる《発達のアセスメントの方法》と、それに対する《具体的支援》について書いていきます!
なぜ、発達検査が保護者や通常学級の先生に不要なのか?
発達の凸凹のアセスメントを行うために、WISC検査やK-ABC検査、新版K式発達検査 LD-SKAIP などの発達検査が行われます。病院の小児精神科や発達研究機関、子ども家庭センター、家庭児童相談所、教育委員会相談係等で実施されています。かなりの時間(検査までの待ち時間、長いと半年待ち)とお金(2万円程度 機関によっては無料)がかかります。
では、検査が実際小学校で必要なときとは、どんなときでしょう。
⑴支援学級で支援するときの具体案を考えるとき
⑵通級指導教室で支援するときの具体案を考えるとき
⑶個人指導の先生がついて、個別指導するときの具体案を考えるとき
⑷合理的配慮を受けるために、学校や教育委員会に提出するとき
⑸子ども家庭センターが障害手帳を出すとき
保護者は、⑷の場合は、検査結果に基づく診断書がいります。教育委員会や学校が、求めるからです。しかし、通常学級の担任が、何か取組むためには検査結果は必要ありません。保護者が、子どものために何かを取り組むにあたっても必要ありません。
なぜなら、発達の状態がそんなに詳しく分かっても、「取り組むスキル」と「取り組む時間」が保護者や先生にないからです。
「視空間認知が弱く、視覚情報の処理も遅いので、音読が難しくなって
いるようです。視空間認知を伸ばすためにトランポリン運動とフロステ
ィグ視覚訓練プログラムをしましょう。」
「それは、無理です。私は40人の子ども担任なので、そんな時間が取れま
せん。教室にトランポリンはありませんし、それにフロスティグ視覚訓
練プログラムとは何ですか?」
これが、相談業務の初期の頃に何度も聞いた先生のセリフです。そうなんです。発達の凸凹が詳しく分かっても、それは全然意味がないのです。「じゃ、支援学級に入れましょう」か「だれか人を一人つけてください」と言われておしまいでした。
どの程度の「発達の凸凹」が分かればいいのか
では、どの程度のことが分かればいいのか?次の6つのことが分かればいいのです。
①見たことをまとめるのが苦手(見るのが苦手)
②聞いたことをまとめるのが苦手(聞くのが苦手)
③注意集中に課題がある(見てない、聞いてない)
④思考の柔軟性が弱い(実行機能の未熟・未発達)
⑤考えるのが得意だが、作業が苦手(熟考タイプ)
⑥作業が得意だが、考えるのが苦手(作業タイプ 境界線児)
それぞれについては今後解説していきますが、とりあえずこの6つ、特に最初の4つがアセスメントできればいいのです。それは、400件以上のWISC検査(ⅢとⅣ)をし、1000件以上の検査によるケース検討をしてきた上で実感した事実です。つまり暗黙知(経験知)です。
しかし、この暗黙知には若干の科学性があります。WISC検査は観察と合わせて評価していくのですが、ある検査のある数値を示す子どもはほぼ同じような状態像を示していました。つまり、逆に言うと観察で状態像が分かるとWISC検査の数値も大体分かるということです。
これから、どんな記事を書いていくのか?
これから、次の3つのことを《誰でもできる発達のアセスメント編》で書いていきます。小学校の先生向け中心に書いていきます。しかし、先生を保護者《親》に置き換えて読んでもらえば、小学生の保護者用になります。
①保護者や先生が知っておくべき「発達」について
②私が発達相談係をしながら得た暗黙知を元に、保護者でも担任の先生で
も《簡単に観察できる発達のアセスメントの方法》とそれが引き起こす困
り感に対する《具体的支援の方法》
③発達に凸凹がある小学生との関わり方スキル
是非、読んでご活用ください。
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