Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 18 ノートのとり方 その5
補助項目の最後の2つを、解説しまします。
7️⃣ 観察ができ観察ノートが 書けるようになる。(実際に書いた見本を見
せることが大切) 【解説】
1年生になると、すぐさま生活科で「朝顔の観察日記」が始まります。観察日記には、理科的な要素の他に国語の作文や、図工の観察画の要素があります。
保育所や幼稚園から上がってきた子の中には、思い込みで絵を書く子が多くいます。見ないで「花はこう書く」「人はこう書く」とはじめから決めてしまっているのです。「目の前のものを見て書く」経験をした子どもは、あまりいません。
そこで、学校では「目の前のものを観察すること」を授業(言葉)で教えます。観察は「ものの表面だけを見るのではなく、その中にある本質的なことを心の目でしっかりと見るということだ」と教えます。そして、それを学んだ上で朝顔を書くように指示します
それでも「見て上手く書けない子ども」のためには、見本の絵を見せたり、途中まで書いて続きを書かせるプリントを作ったりすることもあります。
観察画は、形を取るだけではなく色も塗ります。その色の塗り方を教えてもらってなくて、自己流の子どももたくさんいます。だから、学校では色の塗り方を教えます。
・エンピツの線に沿って、色鉛筆で濃くなぞる
➪色がはみ出る子どもが減る
・その内側を、色エンピツでを寝かせるようして薄く塗る
➪あとから2度塗りして濃淡が出せる
・他の色を重ね塗りして、より本物に近づける
➪自然の色は、原色ではない
8️⃣ 聴写もできるようになる。 【解説】
ノートを取る本質は、何度も書いているようにメモを取ることにあります。その練習として、1年生では聴写の練習をします。授業中にやる先生もいますが、大抵の先生は、連絡ノートを書くときに聴写させます。
もちろん、1年生ですから、初めは板書して視写から始めるのですが、慣れてくると、わざと板書を止めて聴写に替えていきます。
聴写ができない子どもを発見したときは、個人的に視覚支援をします。連絡を書いたメモを写させるか、ノリで貼らせたりします。
聴写は、大体、このようにやっていきます。ノートにまず、次の略語を書かせます。
配布物 ➪ は
宿題 ➪ しゅ
持ってくるもの ➪ も
時間割 ➪ じ
それから、ゆっくり連絡事項を言って、さらに略語で書かせていきます。
【セリフ】
「まず、配布は2枚です。保護者に渡してください。」(2枚)
「宿題は、漢ド8️⃣ と計算ドリルの24ページです。」
(かんど8、けいど24)
「持ってくるものは、牛乳パックです。高さ10センチに切っておいてくださ
い。『牛乳パック、10センチに切る』と書いておいてね。」
(牛乳パック 10センチ)
「最後に明日の時間割ですが、国、国、体、算、生活の5時間授業です。」
(こく こく たい さん せい)
「どうですか?書けましたか?もう一度言って欲しいところはありますか?
隣同士で点検してください。ちゃんと書けていますか?書けてなかった
ら、隣の人に聞いてもいいですよ。聞かれたら、隣の人も教えてあげてく
ださいね。」
最後の指示は、「分からないときは、人に聞く」スキルを教えています。困ったときに人に聞けるようになる(頼み力)と、それは人生最大の武器になるからです。
本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。