3月は、卒所していく子の別れと新入会する子の準備です その3 エピソード
『きれいに書けたね』 浅田 リュウ
宿題ができたので「見てちょうだい」と、算数のプリントと視写のプリントを持ってきた 浅田君 。「どれどれ」と視写のプリントを見たらとても綺麗に書いてある。
「浅田君、とてもきれいに書けているね」と褒めかけて気づいた。視写は、ノートのはず。何と浅田君の持って来たのは、見本のプリントだった。
「ええかげんにしなさいよ」と叫んでしまった。そりゃきれいな はずだ。
『偽装倒班』 上杉 コウ
学校から帰って着替えながら、 中川君が話している。
中川「もうすぐ 《あそぼうクラブ》 辞めるから、その前に もう1回 班長、
したいわ 。」
同じように着替えていた「けん玉 班」の班長のコウ君が、それを聞いて、
コウ「おれ、班長 しんどいし、やりたくないから、俺の 班 潰したろか ?」
その後、「ハンカチ調べ」でどうやったら潰せるか、二人で策を練っていた。
おい、おい、おい、おい、先生が聞いているよ。 頼むで、コウ君。
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【解説】
『ハンカチ調べ』
当時《あそぼうクラブ》は、全生研の香川方式運営していました。詳しくは、下記の本を参考にしてください。
班長は、立候補と選挙で決めます。班長には、班員に指示したり指導する権限が与えられます。その代わり、班長としてふさわしいかどうか点検するための《逆点検》というがあります。
《あそぼうクラブ》では。それを【ハンカチ調べ】で行っていました。
・各班の班員のハンカチを毎日調べる
・忘れた数を1週間で集計する
・忘れた数が、1番多いのが2回続いたら、班長はクビ
班員のことを考え、指導していたら、ハンカチくらい毎日持ってくるように指導・支援という考え方です。
コウ君は、それを悪用して班員にハンカチを忘れてくるように指示する作戦だったのです。もちろん、近づいて睨んで阻止しました。コウ君は「冗談やんか」と言っていました。ほんまか!!!
【参考】
生活指導選書14 「班のある学級」 大西 忠治 明治図書(絶版)