Mリーガーの一打②その1(10/9 第2試合:小林選手の「読み」)
はい、こんにちは!!
Mリーグが始まって1週間が経ちましたが、楽しんでいるでしょうか?
個人的なことを言えば、記事を書きはじめてみて、こんなにも見どころが多いものかと意外に感じております。というわけで今回も一つの記事では収まりそうにはないのですが、どうぞお付き合いください!!
さて少し日が経って申し訳ないのですが、今回は先週の金曜日に放送された、萩原選手、松本選手、小林選手、沢崎選手の一戦をお送りしたいと思います。それではGAME START!!
さあ東1局、開始早々小林選手が独特かつミラクルな手順をさく裂させます。上の手牌を見てください。Wow。7巡目にしてなんといい手なんでしょう。ここから東を切る以外にどんな手筋があるんでしょうか。東以外の牌を切る人がいたら、みなさんも全力でつっこみましょう。
はい、ちょっと待てーい!!!全力のつっこみが必要ですね。
もしそれがオカルティックな打ち筋をする人であれば、「なるほど、先に当たり牌となる6索を切られた分、流れは相手側にあるとみて、後々余るであろう4索を先切りしたんだな」、とかなんとかで適当に自分を納得させるでしょう。しかし小林選手といえば効率や期待値を重視する選手、その選手がこんな打ち方を…。一体何故!!?
私の頭はパニックです。早くその理由を知りたい、その一点だけで私の理性は何とか持ちこたえています。しかし…
次巡7筒を引いて、ここで何を切りましょうか?いよいよ東しかないように思いますが、、、
はい、まさかの8筒打ち!ちょっと、ちょっとちょっと。
ちなみに5巡目から東は2枚枯れで、それが安全牌であることはわかるのですが、それにしてもここまで東を引っ張る意味は何でしょうか。狙いは七対子であることがはっきりしてきたのですが、面子手を拒否するほどの意味はあるのかといった疑問が出る中、これはなかなか勇気のいる手順に見えます。
しかし次巡白を引き、4萬を切ると、、、
来ました。連続で白を引いて聴牌。そしてずっと大切に抱えていた東待ちでリーチ!!もう一度言いますが、東は2枚切れ。つまり残り一枚しかない牌の待ち、いわゆる地獄待ちです。そしてこの地獄に引きずり込まれたのが…
松本選手!!
流局間近ですが高打点のアガリがまだ見えるこの手牌ではさすがに2枚枯れの字牌は止まりません。裏ドラは乗りませんでしたが、小林選手のミラクルな手順の七対子で、6400点の支払いとなってしまいました。
さて、アガったあとも小林選手は全く変わらずこの表情。自らが仕上げたこの手順とこのアガリをどのように振り返っているのでしょうか。皆さんも気になりますよね?
見てくださいよ、下のTwitterを。
なんと小林選手が自らあの手順を振り返りっているんですよ。素晴らしいサービス精神。更にゆうせーさんのYoutubeでも解説が。詳しく理由を聞いてみたい方は是非どちらもご覧になっていただきたいと思います。
(*南2局の事も振り返っているので、お気を付けください。)
いかがだったでしょうか。念のため見られなかった人のために下の牌譜とともに簡単にまとめさせていただきます(*北越せっぷ様、牌譜の方使わせていただきました。経済的な余裕がなく、使用料は出世払いでお願いいたします)。
つまり小林選手は相手の捨て牌(松本選手が西を対子落とし、沢崎選手が第一打に東、3巡目に6索など)からこのままタンピン系で進めても他の人に先を越されそうだと判断、あらかじめ守備力を上げておきたいという理由で東を残したそうです。ただ本人のTwitterでは、「読みはややズレてたし、弱気すぎたかも。」とも発言していて、微妙な選択だったのは間違いないようです。
実際に、他の人はそれほど聴牌が近いわけではなく、小林選手の言う通り弱気だった部分や読み間違えた部分もあるとは思いますが、こんな攻め100%に見える手でも守備面を考慮し、他の人とは違う一手を導き出せる、それだけでも素晴らしいですね。更にそれでアガリまでものにしたんですから、さすがといってもいいと思います。
ただし!この打ち方はやはり数々の修羅場を潜り抜けてきた小林選手のもので、中途半端にまねをすると確実に不幸が訪れますので、ご注意ください。東1局の7巡目でこの手牌、相手の捨て牌などある程度無視してもいい場面なので、『普通』の方はこの時点で東を切り、一直線にアガリを向かうことをお勧めいたします!!
さて、東1局だけでかなりの時間を使ってしまいましたので、ここからサクサク行きたいと思います。
東2局。松本選手が7巡目にして早くもピンフドラ2をリーチ。
これに飛び込んだのが先ほど奇跡のアガリを見せた小林選手。リーチが入っていなければ最高の7索ツモなのですが、これによって出て行ってしまう4索が松本選手の当たり牌。12000点の放銃となってしまいました。
続く東2局1本場。まず親の松本選手が1索を引いて聴牌。が、まだ7巡目ということで、聴牌取らずの打5索。ドラ8筒の周りを引いての好形聴牌が理想ですが、、
一発ツモ逃しの6索ツモは超絶に痛い!!
しかし愚形リーチもフリテン両面リーチもアガリ率はあまり変わらない、ということで8筒を切ってのリーチを敢行、、、したのですが、これに向かってくる男が卓上に一人。
そう、またしても小林選手です。
というより手牌がこちらなので、そもそも安牌がありませんね。まっすぐ行く6萬打ち。
2巡後、6筒をポンすると、、
4巡後、見事6索をツモって、会心の3000点.6000点!!
痛かったのはアガリを逃した松本選手。愚形とはいえドラが一枚ある親の聴牌。天鳳なら即リーチ派が多いように思いますが、Mリーグというそして
舞台ではどちらの方が期待値が高いのでしょうか?なかなか難しい選択だと思います。
そして迎える東3局。まずは松本選手が白ドラ1をポンして聴牌。2索を切って5-8索待ち。すぐアガると思われましたが…
Mリーグではなかなかそういう訳にはいかないですね。2巡後、沢崎選手に七対子の聴牌が入ります。「単騎は西で待て」と麻雀格言集に載っていて、おあつらえ向きにこの手の中にも西があるんですね。単騎待ちで1枚切れの字牌は最強ということでここでも1索切りリーチ…
とはならないんですね。意表を突く西切りリーチを敢行!!
はて、どうしてなんでしょうか。解説の近藤選手も説明していましたが、その理由は2巡目に切った3索にあります。つまり、序盤で3索切り→1索切りリーチ、面子手と読むとなんか切り順が変ですよね?確かに面子手の場合もあるのはあるのですが、この3→1という不自然な切り順では対子手、つまり七対子を疑われることが多くなり、そうなると西が出にくくなる、そんな思いから1索単騎にしたと考えられます。
ちなみに先ほどのゆうせーさんの動画でも紹介されていたように、沢崎選手は自分の捨て牌にかなりこだわる(捨て牌にカモフラージュをして自分の手を読みにくくさせる)タイプで、やはり先手を取ったときにその力は強く発揮されると思います。そして不運にも放銃になったのがまたしても…
先に聴牌を入れていた松本選手。両面の聴牌、こんな1索なんて止まるわけがなく、止めるべきでもありません。というわけで3200点の放銃。
そんなこんなで東4局。色々ありましたが、点棒状況的には小林選手が少し抜けたくらいでまだまで試合の行方は分からないところ。
そんな中、松本選手の7巡目。浮かせていた5萬に6萬がくっつき、8索を切っての一向聴。カン2筒が来れば聴牌ですが、打点が安い、ということで松本選手はこの6索をしばらく温存します。そして…
鮮やか!3巡後、5索を引いて三色同順の一向聴となりました。安全牌を持たずに6索をキープすることで、最高の形への変化を可能にしました。しかしこの手牌の成就を阻んだのはまたしても、、、
小林選手。ミスなしで進め、最後はドラを引いての七対子聴牌!
今日はなぜか小林選手の手が対子傾向になっています。しかしこちらはリーチをせずにダマ。というのも、これもさっきの沢崎選手のときと理由は似ていて、自分の捨て牌が少し変なんです。つまり6萬を切った後、手出しで7・8萬落とし。もし相手が手出しツモ切りをチェックしていたら、面子手としては明らかに手順がおかしいことに気づくはずです。
というわけで、藪に潜んで獲物を待つ態勢に変わりました。そして犠牲になったのが、、
ドラの受け入れができた萩原選手!不運なタイミングで6400点を放銃となってしまいました。誰でも放銃してしまう待ちなので仕方ないですね。
さて、東場はなんと七対子が3回も飛び出ましたが、やはりその成就のカギは自分の捨て牌をいかにうまく細工できるかが一つのポイントになりそうです。みなさんも相手の捨て牌だけでなく、自分の捨て牌がどう見られているか、そんな意識をすればまた打ち方の幅も広がるかもしれませんね。
というわけで東場が終了し点棒状況は以下の通り。
萩原選手 15500点
松本選手 20300点
小林選手 39100点
沢崎選手 25100点
実はここから大きく点棒が動き、6万点越えから箱下の選手まで出ることになるのですが、、、残念ながら時間切れということで、今回の記事は終了とさせていただきます。
また続きは今週中には書き上げますので、気になる方はフォローよろしくお願いいたします!また、「スキ」やサポートなどもしていただければ更なる励みになりますのでよろしくお願いします。それではまた!
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