天鳳の技術②(点棒状況を意識した押し引き)
トップ目で迎えたオーラスほど親リーが怖い場面はない。
特に天鳳ではトップ→4着では約240pもの差になってしまうからだ。しかしながら、点棒状況や場況も打牌を大きく左右するファクターであることも間違いではない。ではこの状況ではどうか。
オーラスのトップ目。中ポンテンの1シャンテンだったが、6巡目に親からリーチ。とりあえずは安牌の發で凌ぐが、、。
次巡6ピンを引き、選択の瞬間。ここで注目したいのが点棒状況。表示されているように、親が2000オールを引くとまくられ終了。逆に7700までは振り込んでも2着。ハネ満以上でない限りはラスには落ちない。
場には特に大きな情報がないが、少なくともドラ1枚と赤も1枚見えている。ハネ満の可能性は十分あるのだが、体感では高くても満貫くらい。この微妙な状況で選んだのは、ワンチャンスという微妙な打6ピン。
そしてその直後に出た中をポンし、聴牌。その後も、、
7ソー、2ソーと押し、かろうじて逃げ切った。
押した最大の要因は「ラスになる可能性が比較的低い」という点にある。つまり3900以上直撃されればこの半荘は終わり、ハネ満振り込みでない限りラスにも落ちない。振り込んだ場面を整理すると、【3900点以下放銃=次局へ】、【3900点以上7700点以下=2着終了】、【8800点以上満貫以下=3着終了】、【ハネ満以上=4着終了】となる。
これと中ポンテン両面待ちのアガり期待値を比較考慮すると、押しが悪くない選択のように見える。満貫未満であればほぼ(9600点などを除けば)2着確定であり、それならツモられるのと同じだからだ。
補足として、メンゼンで聴牌した時、役なしであってもリーチはかけない方が絶対にいい。そこにラス目への満貫放銃ラス落ちという最悪の未来が待っているからである。最初から打7ソーとしなかったのは、それを考慮したということもある。
このような点棒状況の整理は複雑で、ルールだけでなく場況・致命的な放銃になる可能性などを、総合的に感じ取り打牌に活かす必要がある。それはおそらく経験が大きくものをいう分野であり、数をこなすことで精緻化されるのである。
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