天鳳の技術①（情報を与えない心理的駆け引き）

世界中にごまんとゲームがある中で、なぜ麻雀がこれほど人気のゲームとなったのか。それは麻雀が、数理的な技術（牌効率）だけでなく、心理的な駆け引き（押し引き）もプレイヤーに要求しているからに他ならない。そして『おしえて！科学する麻雀（とつげき東北・福地誠）』にもあるように、日本麻雀のパズル的側面（山との対戦）と心理的側面（３人との対戦）を意識して臨まなければ、勝利を手にすることはできない。

少し沈んだ南一局。中がトイツの手牌に北をツモ。何を切るか？

少し悩んだ上で、打八萬。
この手牌はすでに満貫確定。八萬ツモが痛く、ドラの北ツモも少し痛いが、それより九萬切りでの七萬ツモや4ソーや9ソー切りでの5ソーツもが痛いのが理由。すると、、

この手牌で下家の北はもちろんスルーだが、同巡上家が打七萬し、それをチー。

その後すぐ対面から出た中をポンして聴牌。そして数巡後、、、

リーチがかかるものの、下家から六萬を打ち取る事ができた。

もし4巡目で八萬以外の牌を打ち、直後の北をポンしていれば中はシボられ続けていたかもしれない。しかし七八九鳴きくらいで役牌をシボられることはあまりない。
麻雀において、高い手は安く見せ、安い（遠い）手は高く見せるのが鉄則である。当然それが裏目に出ることもあるのだが、今回はそれがうまくいった。そしてこのような、数理的な技術と心理的な駆け引きが最高の結果として現れた時、「麻雀は楽しい」と心から思えるのだ。