Mリーガーの一打⑥ その2(1/2第1試合:断トツ状態からの攻めの技法)
こんにちは。カザラキです。
さて、最近の麻雀界ではこんなツイートが話題に。「こういった若者が麻雀界を盛り上げてくれるのはいいこと」といった好意的な反応から、「たまたま新人王をとったくらいで強くはないでしょ?」といった否定的な反応まで色々ありましたが、みなさんはどんな風に受け止めるでしょうか?
18歳のタイトルホルダー、確かに将棋やスポーツなどでそれなりに大きい場で優勝できたらかなりの衝撃。その業界も大々的にその実力を喧伝したほうがいいかなと思います。ただ個人的にネックだと思うのは、やはり麻雀ということで、やはり短期戦では運の要素が強くなってしまうのです。RMUの新人王戦はわかりませんが、協会新人王でいうと参加者が120名程度で15戦ほどの戦いで優勝を決めるというもの。さらにRMUだと規模がやや小さくなるので実力が反映されているかが大きな不安。つまり「強いから新人王になれた」というにはまだ時期尚早な印象です。
とここまで書いて、まずはっきりさせなければならないテーマが浮上しました。それは「麻雀が強いプロがメディアに出るべきか、それとも麻雀の実力とメディア露出は必ずしも比例する必要がないのか」ということ。僕個人としては、その中間の立ち位置。「必ずしも麻雀の強い人だけではなく、麻雀があまり強くなくても他の才能で麻雀を盛り上げてくれる人も必要。ただその場合、『麻雀強者』という存在としてその人を紹介するべきではない。」と思っています。
ということでよせぷプロに関しては、「RMU新人王となり、19歳にして麻雀がとても強いプロ」という紹介では少し違和感がありますが、「多井プロ以来のビッグマウス新人」とか、麻雀の実力に関する紹介は省いた形での売り出し方ならしっくりくるのかなと思います。おそらくよせぷプロもそのつもりなのだと思います。
あ、私ですか?偉そうに言ってますが、何もタイトルはありません…(まだ一年目、仕方ない仕方ない、、、(-_-))。
とにもかくにも、麻雀界ではG1タイトルを撮るか、長期リーグで最上位に上り詰めるか、GⅡ、GⅢタイトルを複数取るか、あるいは天鳳などで活躍しないとなかなか実力は認めてもらえないもの。よせぷプロに負けないように少しずつ達成したいと思います!
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はい、前置きが長くなりましたが、前回の記事の続きへと参りましょう。はい、前回は東4局に堀選手が新年早々親で四暗刻を決めて早くも独走態勢となっております。その点棒状況がこちら⇩
ヒサト選手 4900点
日向選手 1900点
茅森選手 10900点
堀選手 82300点
はい、断トツです。そして親はまだ継続中…。
ということで、今後の堀選手にも注目しながらGAME START!!
と、東4局2本場は流局だったので次の局から参りましょう。
東4局3本場。こちらは2巡目時点での堀選手の手牌ですが……早くもこのナイスな手牌!!中対子とドラが2枚!打点は十分なので無理にホンイツにはしないと思いますが、狙えそうなら狙いたい、そんな理由から白を残し、まずは索子のカンチャンを払っていきます。
すると4巡目に北が暗刻に。はい、中ポンしても7700点。もう優勝ですね。あとはどこまで点棒を増やせるか。
……とはいえ、4人で戦う麻雀でひとり旅になる可能性というのはそこまで高くありません。打点は不満が残るもののヒサト選手も好形一向聴。
そしてこちらも。愚形残りではあるものの、日向選手も一向聴。
更には茅森選手まで。こちらは満貫まで見える好形一向聴となるのです!
前回の記事でも4つ巴の戦況があり、その時は最後に一向聴となった堀選手が制しましたが、今回はどうなるか!?
今回も最後に一向聴となった選手が最速で聴牌を果たすのです!安めが入ったものの、両面3900点聴牌なら当然リーチ!!茅森選手が周りにプレッシャーをかけていきます。
そしてこちらは同巡のヒサト選手。好形一向聴なら端牌の9萬くらいヒョイと押すかと思いましたが…
意外と押さずに安全そうな南の対子落とし。
確かに9萬の危険度はそれほど高くないものの、その後出ていきそうな3-6筒は危険牌。自分の打点も低い中で、荒い打牌はしないのがイメージとは違うヒサト選手の上手さ。その後の復活を想定しながらの2シャンテン戻しとするのです。
逆に高め5200点で聴牌したのが日向選手。ラスなら当然とばかりに、「リーチ」と追っかけリーチを宣言するのです。
そして同巡。先制リーチの茅森選手がツモ切ったのは4筒。そ、そこで場が少し止まります。日向選手の待ちは西と1筒でこの4筒は関係ないはずですがーーー
ここですね。堀選手が鳴こうか鳴くまいか少考していたのです。普通2軒リーチで危険牌を押さなければならない状況ならオリが妥当なのですが、さてみなさまならどうするでしょうか?そしてこの状況で堀選手の判断はーーーー
これが堀選手、チーして2人に全く通っていない6索勝負の後付け7700点に受けるのです!
確かに押す理由として、①親であり(相手が親じゃない)、②放銃してもトップ陥落の可能性はまだ低く、③自分の手が高打点、という3点セットがそろっていますが、それでも凡人は2軒リーチに対し危険牌を切りたくはないもの。しかし堀選手はこんな状況でも冷静に押し引きを見極められるメンタルの強さがあるのです。
そしてこの度胸が堀選手に流れをもたらす…
とも限らないのですね。何とここでヒサト選手が茅森選手の当たり牌である3-6筒を使い切り、更に打点も上げてのリーチに出たのです!
4者が聴牌気配ムンムンの状況で勝利を手にするのはーーーーーーー!?
2巡後、日向選手がつかんだのは8索。ということはーーーー?
はい、ここで「魔王」ヒサト選手が裏ドラも乗せたアガリを決め、リーチ棒込みで10900点を手にするのでした。
そして続く南1局。ヒサト選手の親番で、前局アガった勢いそのままに親番で大連荘!と思っていたのですが、堀選手と日向選手に仕掛けが入ると、手牌があまりよくなかったヒサト選手はあっさりとオリ。トップがかなり遠く、日向選手に放銃すれば一気にラスの可能性も高まる以上、静観するのがベターと踏んだのでしょうか、意外と大人の対応で流局。
そして次局、次はヒサト選手が4巡目リーチ。堀選手と茅森選手は押す理由があまりなく、親番でラス目の日向選手は押したくてもなかなか手牌がまとまらず。あえなく親流れ流局となってしまいました。
そして迎えた南3局。ここをしのぎ切れば9割9分トップを手中に収められる堀選手が3巡目にして一向聴一番乗り。
そして次巡、ヒサト選手も2筒を引いての一向聴。一応三色を見ながらの6筒を切ってこの半荘をさっさと流しに行くのです。
すると7巡目、ようやく堀選手に聴牌が入りますが……リーチをしないと出アガリはできないものの、さすがにこれはダマ。トップは堅いと言えど、リーチのみ愚形で手替わりも山ほどあるこの聴牌でさすがにリーチはしてはいけないですね。
と言っている間に一瞬で手替わり。平和で出アガリ可能。ただ安いという理由でダマを継続。
しかしここでやって来たのがラス目から抜け出したい日向選手。愚形と言えどツモれば満貫になるということで元気よくリーチと行くのです!!
そして同巡の堀選手。通っていない8索をツモりましたが、2索と振り替えられる、ということで静かに2索を縦に置くのかと思いきや…
角度的に少し見えないのですが、堀選手はなんと2索を横置き。つまりこのタイミングでリーチと出るのです!!さっきまで黙っていたのに、ここでリーチ、いったいどんな理由が込められているのでしょうか。それはこの方に対する圧と言えます。
そう、親である茅森選手。つまりここで茅森選手が一向聴くらいの場合、1軒リーチなら攻め返す可能性がまだあるのに対し、2軒リーチならよっぽどでないと攻め返すことはかなり難しい、すなわちこれは茅森選手をオロすためのリーチ。日向選手に放銃したとしてもトップは安泰、むしろ茅森選手の親が流れる分、トップがより近くなるという計算です。そう、そんな状況判断の早さこそ堀選手の持ち味。そしてそんな堀選手にもたらされたのはーーーーー
来たーーーーーーーー!もはや盤石なトップだったのがダイヤモンド級のトップに変わる、一発ツモ満貫!!!
その結果、親で迎えるオーラスの点棒は………
はい、94900点。役満を直撃されてもまくられない、完全にやりたい放題の状況になっているのです。相手は放銃が怖い一方で自分は全く怖くない。この完全に有利な状況で堀選手はどんな思考なのか、容易に想像ができますね。それは「周りから搾れるだけ搾り取る」、それしかないのです。
とはいえ、麻雀ですから自分が先手をとれるとも限りません。南4局の6巡目、まずは茅森選手が一向聴一番乗り。跳満ツモの2着を狙うにはもう少し工夫が必要ですが、日向選手とも同じくらいの点差である以上、無理に跳満を作りに行くことはなさそうです。
一方早く2着で終局したいヒサト選手は10巡目でようやく白が鳴けたものの、手牌はまだ2シャンテンの苦しい状況。
そんなことを言っている中、聴牌したのは茅森選手。高めツモの裏1で跳満ツモを狙いに行きます。
しかしそれに反応したのが堀選手。王様タイムをまだまだ続けようと、苦しい形からでも仕掛けをいれ、三色の一向聴となるのです。
しかし更にそれに食いついたのがヒサト選手。堀選手が切った4萬を鳴き、1-4索聴牌でようやく追いつきました!そしてーーーーーーーーーーーー
次巡、堀選手が持ってきたのは1索。ここで堀選手はヒサト選手に放銃してこの半荘を終わらせたくなかったのか少し考えるのですが、、、リーチの現物で回る牌もないということで、結局はそのままツモ切り。そして……
その1索をヒサト選手がロン。最後は堀選手からヒサト選手へ、2000点が支払われ、2021年最初のMリーグの試合が終わるのでした。
はい、というわけで、新年一発目のMリーグは堀選手が最高スコアを1万点以上更新する、92900点でフィナーレを迎えるのでした。インタビューこそ盛り上がることはなかったのですが、麻雀の内容は見どころ満載で視聴者の方も興奮したのではないでしょうか。
ということで、今回の記事は以上です!お読みいただきありがとうございました!またフォローや「スキ」、サポートなどをしていただければ執筆の励みになるのでよろしくお願いします。それではまた!!
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