天鳳の技術⑥(手役を狙う意味)
天鳳に限らず、ドラの多い現代麻雀ではスピードが優先される。門前で聴牌して、リーチをかけることが勝つための近道であることは多くの場面で正しい。しかしそれでも、手役を意識することは打点を作る上で未だ必要なことである。
局面は南2局。少し浮いたトップ目で、守備も意識しなければならないが、もう少し点棒も増やしたいところ。この手牌でどのようなビジョンを描けばいいのか、3巡目でその選択を迫られた。
トップ目であること、好形になりにくいことなどからドラの9切り。七対子になっ時の打点のもとではあるのだが、トップ目ということで無理に七対子ドラドラを狙わなくてもいいと考えた。
次巡1索ツモで七対子を見切り、123の三色へ。鳴いてのかわし手も考慮すれば2萬が最も優秀。
7索ツモだが、この局面でリーチのみの1シャンテンを狙う意味はあまりない。そこで受けは狭くなるものの、3色の可能性残し&先切りで2筒を出やすくする3筒切りを選択した。
期待に応えてくれた2引きであとは一直線。
次巡6索を引き、3筒先切りも効いているためリーチ。そして、、
結果山に一枚だけだったが、対面から出てうまくアガリを拾うことができた。
現代麻雀で、手役の追いすぎは非効率的だとされる一方で、手役を狙いに行くべき状況は確実に残っている。鳴いてでも早く場を進めたい状況や安手アガリにあまり意味のない状況などである。
今回は愚形安手リーチは避けたい状況であったことから3色を意識した手作りで、鳴いてのかわし手と面前での勝負手のどちらも視野に入れながら進めることができた。
そしてついでと言ってはなんだが、思った通りに牌が来てくれてこんな美しい手をアガることができる、これだけで日頃の失敗や不運をすっかり忘れさせてくれるのだ。
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