白鷺城異聞(2022年 秀山祭九月大歌舞伎)
姫路城、昨年の「白鷺城異聞」のことなど思い出したので少し…
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姫路城の入場門入口近くには、おそらく忠刻さまと千姫と思われる顔ハメパネルが!勘九郎さん七之助さんご兄弟、しれっとはめてらっしゃいましたが、あなたがた昨年怨霊サイドでしたよね!と突っ込まずにはいられません…笑
展示室にもなっている百間廊下には千姫にまつわるものがたくさんあり、千姫が姫路のかたがたに愛されていたのがよくわかります。
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というわけで(?)「白鷺城異聞(はくろじょうものがたり)」、松貫四こと故二世中村吉右衛門丈の書かれたお話です。
近頃千姫の身体がすぐれないのは物の怪のせいではないかとの城内の噂。忠刻は真偽を確かめようと宮本武蔵を招きます。
家老や武蔵の養子三木之助、いつもと違い気分が良いという千姫とともに、腰元たちも舞を披露し武蔵をもてなし、武蔵も千姫の求めに応じて武勇伝を語ります。
返礼がわりにと千姫も舞を披露しますが、俄に苦しみだし怪しい影が…。忠刻は、物の怪の正体を見届けてほしいと御神刀を武蔵に託します。そして武蔵は御神刀を携え三木之助とともに天守閣へと…。
天守閣に現れたのは、古くから姫路城の天守に住むという刑部姫。城を奪われたと恨む刑部姫は本多家を祟ると言い、武蔵たちへ襲いかかります。さらにそこへ、千姫の先の夫であり大坂夏の陣で切腹してその生涯を終えた豊臣秀頼の怨霊。千姫への恨みをはらそうと刑部姫と結託して武蔵と三木之助に襲いかかりますが…。
とこんなお話です。
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はっきり言って秀頼の恨みというのが、「千姫…豊臣家を滅ぼした家康の孫だし、自分の死後忠刻と再婚して幸せそうなの許せない!」というなんとも八つ当たり的なものなのですが、まあとにかく勘九郎さん演じる秀頼の霊の長物ぶん回し立ち廻りが素敵すぎるので良いのです(チョロい)。七之助さんの刑部姫も、いつもの傾城や姫のような華やかさとは一味違うかなりひんやりとした美しさ…。これはたまりません。歌六さん武蔵・萬太郎さん三木之助vs勘九郎さん秀頼・七之助さん刑部姫に眷属の皆さんも交えての見事な立ち廻り、本当に目が離せない素晴らしさでした。
前半には、米吉さん梅枝さんの腰元衆、時蔵さん千姫の華やかな舞もあり、とても見応えがある作品だったと思います。こちらもいつか姫路城で上演されたら素敵だろうなあ…