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【その1】家族ではなくチームとして生きる

この内容は、妊活・子どものことに関する内容です。
あくまで一個人の考えであることを理解し、読み手の気持ちを尊重してください。


どこから書こうか悩んだが、結論から書く。
「週末里親」
を始めることになった。

私のことを知っている人は、私と「里親」という言葉自体の関係性に、さほど不思議がらないだろうと思う。
私はここ約10年ほど、保護猫ボランティアとして、多くの猫たちの保護をして、新しい里親を見つける活動をしてきた。
けれど今度は、猫ではなく人間である。

長くなるし終わりもないけれど、書き記してみることにする。

そもそも「週末里親」とは?

週末里親とは、児童養護施設や乳児院などで生活している子どもの中から、親や親族などとの面会や外泊の機会が少ない子どもを対象に、月に1~2回の週末や夏休み・お盆・お正月などに継続して家庭に迎え入れて、社会経験や家庭生活の経験を積ませてあげるボランティアのこと

里親ガイドブック「ONELOVE(ワンラブ)」より

ことの発端は、俳優の佐藤浩市さんがご夫婦で、週末里親をしているというインタビュー記事を見たことがきっかけだった。

法律上親子関係を結ぶ「特別養子縁組」や、実親との関係を残しながらも第三者と親子関係を結ぶ「普通養子縁組」があるのは知っていたが、週末だけ家庭に迎え入れることのできる「週末里親」という制度があることを、この時はじめて知った。
とはいえ、当時は夫と籍は入れていたが、週末婚だったので、「こんなのもあるんだな」程度だった。

大きく転機を迎えたのはそれから半年が経った、2024年になった頃だった。

持病の薬が効かなくなった

17年ほど前に発病してから、ずっとうまく付き合ってきていた病気がある。
毎日服薬を続けていたのだが、ついにその薬が2024年に入ったころから効きが悪くなり数値が下がった。

主治医に呼び出され夫と共に病室に入ると、薬の選択肢がいくつか挙げられ、私たちはその1つを選択することとなる。

ここで夫が呼び出されたのは、この薬の選択が今後の私たちの人生において、大きなきっかけのひとつになるからだと主治医が判断したのだ。

新しく始める薬は、奇形児が生まれるリスクが高くなるという副作用があった。

そこで、
・もし妊娠を希望するのなら違う薬を選択する(週1の通院や入院が必要になる)
・もしくは効果が薄れてしまったが今までの薬を増量する
という説明を受けた。

だが、その治療方法を決める前から、何なら夫と結婚をする前から、子供については話し合っていて、私は妊娠を希望していなかった。

これは、生まれ持った気持ちなので素直に書く。
自分の子供を産みたいという欲が全くなかった。
それに伴い持病が血液関連のもので、妊娠・出産にはまず自身の治療が発生する。
副作用や治療の頻度を考えると、自分の生活がままならなくなることも安易に想像できたため、「子供を産みたい<自分の生活を維持する」が優先事項だったのだ。
"私と夫の遺伝子を混ぜた子供が産まれてきたらどうなるだろう"という実験的好奇心はあったが、私の人生の優先事項は変わらなかった。

付き合った当初から、この希望については夫にも伝えており、結果として「2人でめちゃくちゃ人生楽しもうね」という意見で落ち着いていたのだ。

だからこそ、主治医からのリスクの説明は、私にとっては特に大きな障害とならず、生活にもさほど影響のない通院頻度となる新しい薬を試すこととなった。
同時期に、夫の転職に伴い週末婚は解消し、2人と猫との生活が始まる。

もともと自分で産む気はなかったものの、こうして自分の出産にさらにリスクが伴うこととなり、「子どもを産まない人生」にスイッチが完全に切り替わったような気持ちがあった。

多様性を受け入れる社会になったとはいえ、まだこの令和の時代は、夫婦ともなれば出産を期待される時代なのだ。特に誰かに言われたわけではないが、たまに感じる「出産」の圧を完全に遮断することが、私の心の健康にも良いような気がした。

そして、新しく始めた薬が効いてきて「よかった〜」と思っていた頃に、「週末里親」のことを思い出したのだ。

あれ、これもしかして、今ならできるんじゃない?と。


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めんま
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