【その10】家族ではなくチームとして生きる
そしてクリスマスシーズンがやってきた。
夫と何かあげたほうがいいのだろうかと相談した。
というのもまだ我が家に泊まりにくる段階ではないため、何か物をあげたところで、施設に持って帰った時にほかの子が羨ましがるかなと思ったのだ。
もし泊まりにくるようになれば我が家に置いておけるものをあげるのもアリかなぁと思ったが、それよりも「経験」になるものをあげたいなと思った。
念のため、職員さんに連絡してみたところ、
「キーホルダーとかぬいぐるみとかそういう物であれば、プレゼントしてもらうのは構いません。(ゲームとかはNG)」
という返答をもらった。
プレゼントを考えていた時に思い出したことがあった。
私たちが施設を訪れた時、ふたりでお揃いの靴を履いていたことがある。
そのときにAくんはすぐに気付いて、「靴お揃いなの?」と聞いてきたのだ。
その後、【その9】で書いた
という発言もあり、何となく私たちふたりが仲良くしている姿を見ることが、嬉しかったり楽しいのかもなと感じたのだ。
(同時に仲のいい夫婦をみる機会がなかったのかもと思った。そもそも「結婚」という概念がないのか、どうやら私は夫の彼女という認識だったと後日知った。)
だから、これからはAくんもその仲間に入るんだよ〜という意味も込めて、3人でお揃いのものにしようと決めた。
最初は夫と話をしてマフラーを検討したのだが、道ゆく男児を見ても、マフラーどころか汗をかいて走り回っている。
どこかに引っかかったりするのも怖いし、「マフラーはよくないかも…」と思い、選んだのは靴下だった。
ただの靴下だと、お揃い感がない。
だから以前「Aくんは食べ物で何が好きなの?」と聞いた時に「パン」と答えていたので、パン柄の靴下にしようと思った。
他にも好きな食べ物を聞いたけど、ハンバーグやオムライスよりも、好きなのはパンだった🍞
探してみたらkunkunさんの商品のなかにパン柄の靴下家族セットがあった。
Aくんに渡す、はじめてのプレゼント。
チームの仲間が同じユニフォームを着て、試合に望むのと同じように、私たちはまずは靴下をお揃いにすることにした。
靴も悩んだが、すぐに大きくなるだろうし、ぴったりサイズじゃないとこけたりして危ない。
とはいえ、やはり子どもだからおもちゃとかも期待するよねと思って、クリスマス間際の面会の際に、本屋さんへ本を選びに行くことにした。
私たち夫婦は2年前から、ブックサンタというチャリティー活動に参加しているが、実店舗で実際の子どもに行う、リアルブックサンタである。
どんな本を選ぶのか、そして靴下を渡した時の、お揃いに気づいた時の反応も、今から楽しみだ。
施設内ではなく、私たち夫婦とAくんの3人で外に出かける回数も増えてきたので、靴下の写真を添えて、このnoteを公開することに決めた。
はじめてのプレゼント。
私たちチームのはじめてのお揃い。
自分だけの本を、自分の手で探すこと。
どれも私たちの大切な思い出になる。
今年も残りあとわずか。