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入社後ってどんな仕事をするの?②

今年も気づけば残り2か月。毎年のことながら1年の早さが恐ろしいです…
でもその反面、新しいカレンダーや手帳は楽しみのひとつですね。
ちなみに、弊社では素敵なオリジナルカレンダーを制作しています!詳細は過去の記事をご覧ください。(写真だけでも!!)


前説が長くなってしまいました。
こんにちは。アライグマの娘です。
今回は以前投稿した「入社後ってどんな仕事をするの① 企画(入札に向けて)」の続き「要件定義」についてです。
前回の記事もよろしければぜひ。


今回の記事のみご覧になる方もいるかと思いますので、改めて自己紹介を。
私はSI事業部に所属しており、主に官公庁系のシステムリプレース案件でお客様が使用されるPCの構築に関わっています。

システム開発の流れ (弊社採用サイトより)

過去に参画してきたプロジェクトでは、設計~テストの工程で関わることが多い印象です。


注意点ですが、ここでお話しするのはシステム開発におけるごく一部分の作業であることご了承ください。
全体的な流れや用語などは、詳しく解説されているサイトをご覧いただければと思います。


②要件定義

今回は先ほどの図の「要件定義」についてです。
前回の記事のもととなった案件とは別の案件をもとに記載しています。


現行調査

まず行う現行調査では、運用中のシステム(以後、「現行システム」と記載します)でどの機器・製品を使用しているかや、サーバのリソース(CPUやメモリ)の使用量などの調査を行います。


非互換調査

新システムに導入する製品は、基本的に現行システムで導入している製品の後継製品ですが、現行システムの製品と比べてどんな機能が追加・削除されたかを調査するのが非互換調査です。

製品のメーカーのHPでは、バージョンごとに変更点をまとめたリリースノートが公開されています。現行システムの製品から最新の製品までどのような変更があったかリリースノートで確認します。
Windowsなどの製品は実際にインストールし、操作してみて確認します。
リリースノートについては、詳細に説明されている下記サイトご参照ください。(引用元:サンビット株式会社)

後継製品がない場合は、お客様の要求仕様を満たす代替製品を選定し、同じく非互換調査を行います。


要件定義書の作成

要件定義書は大きく分けて、ハードウェア要件、ソフトウェア要件、ネットワーク要件、情報セキュリティ要件から構成されます。
現行調査や非互換調査の結果をもとに、それぞれ新システムにおける構成やその選定方針をまとめ、内容をお客様と合意します。

要件定義書はシステムの方針を定めた資料であるため、以降の工程で作成する設計書類や運用手順書などで判断に迷うことがあれば、確認する資料にもなります。

また、システムの規模によって異なりますが、要件定義の期間が新システムリリースの2年以上前になる案件もあり、数年後の運用終了まで使用されることを考慮する必要があります。例えばシステムのリリースが2年後、運用期間が4年の場合、6年後まで使用されることになります。
そのため、サーバやPCのOS(WindowsやLinuxなど)は運用中にサポート契約が切れないよう、構築時点での最新バージョンとする場合が多いです。


環境要件書の作成

環境要件書では、ラック搭載図や諸元表などを作成します。

ラック搭載図はサーバラックの何U(ユニット:1段の単位)にどの機器を設置するかを示した図で、業者の方が機器を設置する際にも使用されます。
重い機器は下に設置する、機器同士の間には1U以上開けるなどの基本的な考え方の他に、ラックの最大積載量や床の耐荷重も考慮する必要があるため、後述する諸元表と合わせて考えます。
ラック搭載図の詳細に関しては、下記サイトご参照ください。(引用元:Qiita @mikan555さんの記事)

諸元表は質量、電源入力、電源出力、プラグ形状をまとめた表です。
設置機器の合計質量がラックの最大積載量を越えていないことや、必要なコンセント数がわかる資料です。
各機器の上記情報は、メーカーのHPで公開されているユーザーマニュアルなどで確認します。

サーバ単体のリプレースですが下記サイトでは、全体の流れや実際に作業された上で検討したこと、起こったトラブルや原因などが記載されており、作業についてとてもイメージしやすいと思います。(引用元:ソフテック株式会社)


機器選定仕様書の作成

作業としては前回お話しした「機器選定」と同じです。
要件定義書の情報をもとに、PCやサーバ、ネットワーク機器、プリンターなどの周辺機器を選定します。

入札前の機器選定と異なるのは、契約後であるためお客様に確認しながら進められることです。
「意見招請」と似ていると感じるかもしれませんが、意見招請では書面で一度やり取りするのみであるため、回答が求めているものと異なる場合もあります。

ちなみに、私が参画したプロジェクトではWordで作成していました。手順書類を除き、多くの資料はExcelで作成するため、私も含めて周りのSEはWordを使う機会が少ない印象です。


機器明細の作成

SEとして関わることはあまりないと思いますが、私は機器明細の作成にも関わらせていただいたので、ここに少し記載します。
機器明細書は機器の利用種別(サーバであれば、APサーバ、運用環境サーバなど)ごとにハードウェア、ソフトウェア、保守の費用を記載した明細書のような資料です。

意外と大変だったのは、機器明細の内容を確定するまで約1年の期間があったため、製品の新しいバージョンが公開されることは珍しくなく、内容を検討し書き換えることが度々あったことです。


以上が私の経験をもとにした、要件定義での作業の一部分となります。
次回は「設計」の段階について、経験をもとに少し説明できればと思います。(予定)


今回の記事で弊社に興味を持たれた方は、ぜひ下記採用サイトもご参照ください。
私が所属するSI事業部の実績や他事業についても掲載しています。

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