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動き出した日々の中で

長い長い夏が終わり、ようやく涼しくなってきた今日この頃。私は1歩1歩、地の感触を感じながら日々を送っている。
こんな毎日はいつぶりだろう。

常にキリキリとした生活だった。今の自分の状況はずっと不安定で、これ以上堕落していかないように何かに必死に掴まる毎日だった。

何かゴールがあると思っていた。いつか、「一件落着」になって全てが終わると思っていた。

幼い勘違いをしていた。全ては終わったと思っていても日々の中で薄々と在り続けるし、誰しもが何かを抱えて生きているのだ。白か黒かではない、ずっとずっとグレーの中でマーブルのように混ぜ合わされながら、それでも私達は生きているのだ。

自分の人生に絶望して本当に死のうか何時間も考え続けた日の夜、頭をぼーっとさせながら見ていた金曜ロードショーの映画の中で、陽気な主人公が真面目な顔をして突然言った。

「生きることは、辛く苦しい。」

とても腑に落ちた。それからまた、しばらくぼーっとしていた。
生きることは本来辛く苦しいことなんだ。″楽しい″がスタンダードでは決してないんだ。
だからこそ、やれることがあると思った。だからそこ、絶対に、自分だけの幸せをこの人生で見つけなければいけないと思った。
はは…辛く苦しいのが人生なんて、面白いじゃない。このまま死ぬか、死んだように生きるか、自分と闘って生きるか。
人生はスイーツパラダイスではない。楽しいことの次に、楽しいこと、楽しいこと…そんなわけがない。それでもいつか、やっと食べれるスイーツがあるはずだ。

そうして、私は前に進むことを決意した。進んだ道の先頭に今私はいる。ある日、錆び付いて長い時間止まっていた大きな時計がギシギシと錆を落としながら、やっとの思いで動き出す音が聞こえた。

動き出した日々の中で、それはまだまだ慣れない日々だけど、私は今日もマーブルの中で生きている。

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