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くまのぬいぐるみ

僕の家には僕が1歳の頃に祖母に買ってもらったくまのぬいぐるみがいる。今は僕の赤ちゃんの頃に着ていた服を着てリビングのソファに座っているのである。長く一緒にいると家族のように感じるし目つきや顔つきが見るタイミングによって違うような気がして魂が宿ってるのではないかと期待したりもする。
そんなくまはお世辞にもキレイとは言えない。中の綿もへたってしまっている。毎年恒例で僕の誕生日にまだ小さかった頃の映像を見るのだがそこにはくまのぬいぐるみを投げ飛ばしたり耳や腕を引っ張ったりしている幼き僕の姿がある。正真正銘これが原因でボロボロなのである。ほんとに申し訳ないなと思っている。このくまはリビングにいるので、行ってきますやただいまをこのくまに伝えているし大事なことがある日にはくまに事の成功を祈ってから出かけている。今も僕の生活に欠かせない存在なのである。 
 僕も高校を卒業して大学をでて結婚する時が来るかもしれない。結婚してマイホームができたときにこのくまのぬいぐるみを連れていけるだろうか。両親や嫁に反対されるかもな など思い浮かんだりするが、死ぬときに同じ棺桶で焼いてくれればそれでいいかなと思っている。少し早い話かもしれないが。


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